約 3,515,177 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1316.html
あるてんこの一生 メスブタの群れ 33KB ギャグ 自業自得 希少種 加工場 虐待人間 餡子ンペ09出展作品第4弾です ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※すさまじいまでの希少種優遇あり。 ※絵本あきリスペクト箇所あり。 ※東方キャラとよく似た人物が出ますが関係はありません。 ※メス豚という言葉がゲシュタルト崩壊しています。 ある山のふもとの繁華街の近く。青々とした雑草のしげる平原にその群れはありました。 ごくごく普通の巣穴に、ゆっくりが赤、子ゆっくりあわせても30匹程のこれまたごくごく普通な規模の群れ。 ただひとうだけ他の群れとは違うことがあります。 この群れに住んでいるのはゆっくりてんこのみ。この群れはドMてんこの群れなのです。 「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ 作、長月 ゆっくりてんこ。 一部を除き、超が付くほどドMな希少種で、他のゆっくりが嫌う雑草、虐待おにいさん、加工所、れいぱーをこよなく愛すゆっくり。 あまりに他のゆっくりと違う価値観に「ゆっくりできないやつ」として群れから追放されたり、飼いゆっくりとしても「ドMすぎて気 持ち悪い」と捨てられることも多い種でもあります。 そんなてんこ達が集まって作ったコミュニティ。それがこのてんこの群れなのです。 「てんこってばめすぶたね。」 「あらてんこのおぼうしこそすてきなめすぶただわ。」 意味不明な会話をするてんこ達。しかしこれがてんこ種にとっては当たり前の会話なのです。 てんこにとって、めすぶた、とはゆっくりできるものや肯定的にとらえられるもの全てに使われるもので、極めて汎用性の高い言葉。 ドMてんこのゆ伝子レベルで組み込まれている、ゆっくりありすにとってのとかいはに当たる言葉といえます。 しかしこれはてんこの特性の一部にすぎません。 ここは群れにあるてんこの巣。この巣には胎生にんっしんっをして出産間近なてんこがいます。 今ここで群れに新たな仲間が加わろうとしているのです。 「がんばってね、てんこ。がんばってめすぶたなあかちゃんをうんでね。」 「おさもきてくれたよ。げんきなこぶたちゃんをうんでね。」 励まし続ける長てんこと父てんこ。子供が生まれそうと聞いて長てんこも来てくれました。 「ハアハア、だいじょうぶよ。このていどのしゅつさんぷれい、たえてみせるわ。」 そう答える妊婦てんこ。陣痛で痛いはずなのにやけに嬉しそうなのはきっと我が子が産まれるのが楽しみだからでしょう。そういうことにしておきなさい。 「うまれるぅううう!!!うわれるわぁああああああ!!!!」 いきみ続ける妊婦てんこ。そしてついにその時が訪れました。 すぽーん。 音をたてて妊婦てんこのまむまむから飛び出す赤てんこ。放物線を描いた後見事に着地に成功しました。 「ゆっきゅりいじめちぇっちぇね。」 「ゆっくりいじめてってね!!」 てんこ種特有のごあいさつを両親にする赤てんこ。それに両親がこたえます。 「ゆゆーん。かわいいめすぶたなこぶたちゃんだよ。」 「ほんとうにめすぶたそのものだわ。」 大喜びの両親と長てんこ。すぐさま赤てんこに駆け寄ります。ゆっくりの親愛行動であるすーりすりをするのかと思いきや。 「ゆっくりいじめられてねっ!!」 体当たりで赤てんこをふっとばす両親てんこ。赤てんこは狭い巣の中でピンボール状態で飛んでいきました。 実はこれ、虐められる楽しさを子供に伝える為の行為で、てんこ種だけに見られる誕生後の通過儀礼なのです。 「ゆゆーん。もっちょお、もっとてんきょをいじめちぇにぇえええ!!」 大喜びでもっとして欲しいとおねだりする赤てんこ。すっかりドMの波動に目覚めたようです。 「もちろんよ、おちびちゃん。あんこのずいまでいたぶってあげるからね。」 「めすぶたなおちびちゃんは、ぼろぞうきんになるまでひゃっはーしてあげるわ。」 そういって赤てんこへ体当たりの波状攻撃をかける両親てんこたち。どう見てもDVなのに全員笑顔なのはちょっと異様な光景です。 ゆっくりてんこは死ぬ寸前まで虐められたあと復活すると大きく耐久力がアップするのですが、その本能がさせるのでしょうか。 どちらにしても異常なまでのタフネスと回復力をほこるてんこだからできる行為です。 幸せそうなてんこ一家の声を聞きながらそっと立ち去る長てんこ。家族の団欒の邪魔をしてはいけないと思ったのです。 その後てんこ一家の巣穴からは家族の笑い声と衝突音がずっと絶えませんでした。 巣穴から出た長てんこは群れを巡回し始めました。長の仕事は群れの中のパトロールも入っているからです。 この群れは長老てんこ、長てんこ、幹部てんこというシステムで成り立っていて、長てんこと幹部てんこ数匹が実質的に群れを取り仕 切り、長老てんこはなにか重大な用件があるときのみ登場するようになっています。 群れのある草原と隣にある幻想町公園で思い思いにゆっくりしているてんこ達。基本的に雑草を食べることを好むてんこ達は食事はそ の辺の雑草を食べればいいので狩りをする必要がほとんどありません。一日の大半をドMプレイに費やしています。 あるものはお互いに体当たりしあったり、あるものは枝で突っつきあったり、あるものはメスブタな歌を歌ったりしています。 そんなてんこ達の写真を取ったり、あまあまをあげたりする町の人達。てんこはこの公園の名物なのです。 そんななか公園の湖に浮かぶゆっくりが一匹。水上まりさならぬ水上てんこです。 てんこのおぼうしは、まりさのものと違い浮かぶのには適していないのですが「死と隣り合わせのこのスリルがたまらない。」と一部 のてんこたちに根強い人気があります。 この水上まりさプレイ、一歩間違えば死ぬことになりますが、てんこ達はまったく気にしていません。 ドMに産まれ、ドMに生き、ドMに死ぬことこそがてんこのさだめ。 メスブタに逃走はない。退かぬ、媚びぬ、省みぬ。それがてんこのドM道。 自分達の信念の為なら死すらいとわないその姿勢は感動すら覚えます。ある意味で。 「ゆゆーん。おさ。きょうもめすぶたね。」 「あら、おばちゃん。ゆっくりいじめてってね。」 長てんこに声を掛けたこのゆっくりはおばちゃんてんこ。群れでは長老の次に高齢なてんこでおばちゃんの愛称で親しまれています。 「ふふっ、あのちょうろうにひろわれてきたおちびちゃんがこんなにりっぱなめすぶたになるなんてねぇ。」 「ゆぅ。おばちゃんたら。てんこだっていつまでもこぶたちゃんのままじゃないわ。」 長てんこは赤ゆっくりだった頃、両親をなくしています。 なんでも二匹で水上まりさプレイをしていた途中、突如現れた謎のシャチに乗ったお兄さんが「このメスブタ達をさらえとガイアが俺に囁いている」とさらっていったそうです。 おかげで姉妹もいない長てんこは一人ぼっち。幸い食料は他の大人てんこたちがくれるので飢えることはありませんでしたが寂しくてゆっくりできないことには変わりありません。 世界中の全てに放置プレイされているような孤独。幼い長てんこはいつも親子づれを見て寂しい思いをしました。 そんな長てんこを見かねて長老てんこは養子にしてくれたのです。 長てんこは思います。長老がいたから、長老が自分を放置プレイしなかったからこそ今の自分はある。 その後、長老てんこに長としての教育を施された長てんこはめきめきとリーダーとしての頭角を現し、半年前、当時長をしていていた てんこに代わり長に就任。 現在も我が子同然に育ててもらった恩を返すべく長として職務を遂行する毎日を過ごしています。 「ところでいつもこのへんであそんでるおちびちゃんたちは?きょうはいちどもみてないんだけど。」 「そういえばみないわねぇ。おさもしらないの?」 「まさかまたあそこにいったんじゃ・・・ちょっとつれもどしにいってくるわ。」 ポインと跳ねる長てんこ。行く先はてんこたちの群れがある場所から100メートルほど西にいった場所にある建物。 加工所です。 「うぎゃあああああ!!!じにだぐなぃいいいいいいいい!!!」 「だれかぁああああ!!!までぃささまをたすけるんだぜぇええええ!!!」 今日もゆっくりたちの悲痛な叫びがこだましています。ここは加工所。捕まえたゆっくりたちを処分すべく職員達がトラックから檻に入っているゆっくりを加工所のなかに運び入れている最中です。 それを羨望のまなざしで見つめる二匹の子ゆっくりたち。てんこの群れからぬけだした子てんこたちです。 「ゆゆーん。いいなあ、てんこもはいりたいわ・・・」 「でもてんこたちはいれてくれないよ・・・」 「ゆぅ・・・・」 ため息をつく子てんこ達。基本的に通常種を駆除する為にある加工所へは、希少種であるてんこは入れないのです。 ただでさえ愛護団体の抗議が激しい昨今、何もしていない希少種を殺しでもしたらそれだけで大問題。 ましてや観光スポットになりつつあるこのてんこ群れのゆっくりを駆除したらてんこファン達が暴動を起こしかねません。 「こらっ!!あなたたち!!」 その時子てんこ達の背後から大きな声がしました。おそるおそる振り返ると怒った長てんこが仁王立ち(?)していました。 「ここへきてはだめって、いつもいってるでしょ!!まったく。」 「ゆぅ・・・」 怒られてしょんぼりとする子てんこ達。 「ほらかえるわよ。ここにいたらにんげんさんたちのじゃまになるわ。」 「ゆぅ・・・でも・・・」 子てんこ達は名残惜しそうに加工所のほうをチラチラと見ています。 てんこ達にとって死ぬまで虐めてもらえるという加工所は究極のゆっくりプレイスであり理想郷。 そう簡単にあきらめきれるものではありません。 しょうがないなとため息をつく長てんこ。こうなれば最後の手段です。 「いうこときかないわるいこはめでおにいさんにさらわれちゃうわよ。」 「ゆっ!!めでおにいさん!?」 「そうよ。めすぶたでないわるいてんこはみんな、めでおにいさんにさらわれちゃうのよ。」 明らかに顔色が変わった子てんこたち。顔面蒼白でガクガクと震えています。 「そしていっしょうあまあましかたべられず、いたいいたいこともされないで、ママやパパにもあえないわ。ほらあのしげみのうしろにめでおにいさんがみているわ。わるいおちびちゃんたちをさらいにきたのよ。」 怯える子てんこ達に畳み掛けるように話し続ける長てんこ。当然しげみに愛でお兄さんなんて嘘っぱち。 愛でお兄さんを怖がるてんこ達の習性を利用した子ゆっくりの躾法です。 実際、愛でお兄さんが何も知らずにドMてんこを飼った所、ストレスで死んでしまった例はいくつもあります。 虐められず延々と愛でられ続ける生活にドMなてんこは耐えられなかったのです。 「ほーら、おにいさん。このめすぶたでないおちびちゃんたちをつれていってね。このこたちはおとなのいうことをきかないとってもわるいこたちなんだから。」 「ゆわーん。ごめんなしゃいい!!」 「てんこ、めすぶたになりますぅうう!!だからつれてかないでぇえええ!!!」 恐怖のあまりわんわんと泣き出す子てんこ達。どうやら薬が効きすぎたようです。 「おちびちゃんたちが、いいこぶたちゃんになったから、めでおにいさんはどっかいっちゃったわ。さあかえりましょう。」 「ゆぅ・・・ぐすぅ。」 子てんこ達をなだめながら帰り始める長てんこ達。 長てんこも子ゆっくりの頃、加工所へ行きたいと駄々をこねては、長老てんこに同じことを言われて育ったのです。 歴史は繰り返すものですね。 「そこのくぞてんこどもぉおおおお!!!までぃささまをたすけろぉおおおお!!!」 「おねがいじまずぅううう、てんこさまぁあああ!!でいぶをここからだしてぇえええ!!!」 「はいはい。君達はここでゆっくりしてってね。遠慮しなくていいのよ。」 「「「どぼじでそんなこというのぉおおおおお!!!」」」 野良ゆっくり達の叫びが見事なハーモニーを奏でました。 子てんこ達を無事、両親に送り届けた長てんこ。少し休憩しようと川のほとりで休んでいると 「おさ!!こんなところいたの。さがしたわ。」 「どうしたのてんこ。そんなにあわてて?」 現れたのは群れの幹部てんこでした。なぜかとても慌てています。 「たいへんなのよ。げすまりさが・・・げすまりさたちがきたの!!」 「ゆっ!?ほんとうなの、それは?」 「みんなはさきにいってるわ!!おさもゆっくりしないで、はやく!!」 「わかったわ!!あなたは貯蔵庫からアレをもってきて。」 大急ぎで現場へ向かう長てんこ。幹部てんこたちも貯蔵庫へ向かいます。 「ゆゆーん、あまあましゃんもらったよー。」 そう言いながら飛び跳ねていく赤てんこが一匹。その口には人間から貰ったキャンディーがくわえられています。 雑草の苦味、辛味を一種のSMプレイとして捉えているてんこ種にとってあまあまは価値のないものですが、他のゆっくりとの通貨替わりに使うことができるので巣に貯蔵しておくのです。 「ゆっへっへ。まつんだぜ。そこのちび。」 そこに居たのは明らかに野良らしき数匹のまりさ達でした。赤てんこの持っているキャンディーを下卑た笑いを浮かべながら物欲しそうにしています。 「おまえのようなちびがあまあまをもってるなんてもったいないのぜ。まりささまがもらってやるからありがたくおもうんだぜ。」 リーダーらしきゲスまりさが言いました。それに手下達も続きます。 「いたいめみないうちにわたすんだぜ。」 「まりさたちはさいきょーのせいえいぶたいさんなんだぜ。さからうだけむだなんだぜ。」 「・・・・・・・」 「へっへっへっ。おそろしくてこえもでないんだぜ。」 ゲスまりさは何も言わない赤てんこを怖くて何もいえないと思いました。 しかし実際は違います。 赤てんこの顔に浮かんだのはゲスまりさへの恐怖でもあまあまを取られることへの怒りでもありません。 例えるなら新しいおもちゃを買ってもらったときの子供のような期待と興奮に満ちた表情。 「ゆゆーん。げすまりしゃが・・げすまりしゃがきてくれたよぉおおおお!!!」 「ゆっ!?げすまりさ!?」 「げすまりさ!?どこどこ!?」 それまでおもいおもいにどMプレイにふけっていたてんこ達が一斉に集まり始めました。 ゲスまりさを迎撃する為かと思いきや 「きゃー!!ほんとにげすまりさだわ!!みてみてあのうすぎたないごきぶりみたいなおぼうし!!」 「どぶがわのくさったようなおめめをしているわ!!」 頬を紅潮させながら興奮気味に話すてんこ達。珍獣を見つけた女子高生のノリです。 ちなみにてんこ達に悪気は一切ありません。ただあまりに素直すぎるだけです。 「まちなさい!!そのこをいじめるのならてんこをかわりにいじめなさいっ!!」 「てんこにばかりいいかっこはさせないわ!!やるならこのてんこをいじめてね!!」 「いや、あなたたちではむりよ。ここはこのてんこにまかせてね。」 「てんこをいじめてね。でないとあんたじごくにおちるわよ!!」 「がいあがささやいてるわ!!てんこをいじめろって。」 「てんきょをいじめてくりぇりぇばあまあましゃんをあげるよ!!」 「いまてんこをいじめればこのじゅうえんだまさんをきゃっしゅばっくちゅうよ!!」 どうやらゴキブリ以下のクソ袋に虐められるという行為がドMの琴線に触れたようです。 しかしこれに怒ったのがゲスまりさ達。まあ普通は怒りますよね。 「うがぁあああああ!!!なめるんじゃなんだぜぇえええ!!!」 怒り狂い猛然とてんこ達に襲い掛かるリーダーげすまりさ。手下まりさ達もそれに続きます。 「しぬんだぜっ!!」 「んほぉおお!!もっといじめてねぇえええ!!!」 激しい連続の体当たり攻撃。しかしてんこ達には効いていません。むしろ喜んでいます。 「へっ、いまのうちにほざいてるんだぜ!!あとでないてもしらないのぜ。」 一分後 「へっへっへっ!!そろそろないて、いのちごいをするんだぜ。まあしてもゆるさないのぜ。」 三分後 「ハァハァ、やせがまんはよすんだぜ!!いまならあやまればゆるしてやるんだぜ!!」 五分後 「ぜーぜー・・・いいかげんに・・するんだぜ・・・まいったって・・・いうんだぜ・・」 「もっと、もっとてんこをいじめてねぇええ!!!」 「どぼじでそんなこというのぉおおおお!!!まいったっていっでよぉおおお!!!」 涙目になりながら体当たりを繰り返すリーダーゲスまりさ。子分達はとっくの昔にあきらめているのですが、おそらくもう引っ込みがつかなくなったのでしょう。 ずっと体当たりをし続けたので体中あざだらけ。逆にてんこはつやつやしています。 所詮、子ゆっくりからあまあまをまきあげることしかできないヘタレゲスまりさの集まり。 生まれ持ったうたれ強さに加え、毎日のドMプレイによって耐久力をアップさせているてんこ達には傷ひとつ負わせることができないのです。 そんなボロボロのまりさ達に近づく影がひとつ。ゆっくりありすです。 「ちょっとまりさ、どうなってのよ!!」 眉間にしわを寄せリーダーゲスまりさに詰め寄ります。実はこのありす、リーダーゲスまりさのつがいで、今まで遠くで見ていたので すが、なにやら様子がおかしいので見に来たのです。 「いなかもののてんこをせいさいっしてあまあまをいただくんじゃなかったの?なにやってんのよ!!」 「いやこれはその・・・・だぜ。」 しどろもどろなまりさを罵倒するありす。そしてそれを興味津々で見つめるてんこ達。 「きゃあああああ!!!れいぱーありすよ!!」 「れいぽぅありす。てんこたちをれいぽぅするするつもりね!!」 「ち、ちょっと・・・ありすはれいぱーじゃないわ。とかいはよ!!」 必死に弁解するありす。ちなみにこのありすはれいぱーではなく唯のゲスです。 ですがてんこ達は聞いてません。ゲスありすイコールれいぱーと勘違いしています。 目をキラキラ光らせながらありすへ詰め寄ります。 「うそおっしゃい!!れいぱーはみんなそういうのよ。」 「むれのみんなにはてをださないで!!れいぽぅするならてんこにしてね!!ハァハァ。」 「あなたにはおちびちゃんがいるでしょう。ここはてんこにまかせなさい。だいじょうぶ!!きっといきてかえるから・・・」 「なにひとりでかっこつけてるのよ。てんこもつれていきなさい。しぬときはいっしょだわ。」 「いまてんこをれいぷっぷすればこのじゅうえんだまさんをきゃっしゅばっくちゅうよ!!」 「きゃあああああ!!!なんなのこいつらぁあああ!!!」 ジリジリと寄ってくるてんこ達のプレッシャーに耐えられず、一目散に逃げ出すありす。 それを見て同じく逃げ出す子分のゲスまりさ達。ボロボロのリーダーゲスまりさを置いて。 「まっでぇえええ!!!おいてかないでぇええええ!!!」 「やくにたたないりーだーはそこでしぬんだぜ!!」 「いなかもののまりさとはりこんよ!!」 そう言い残し、リーダーを見捨てわき目も振らずに逃げていきます。所詮ゲス同士の繋がりなどこんなものです。 「ここね。ゲスまりさがいるのは。」 そして長てんこも到着しました。遅れて幹部てんこ達も。てんこ達に囲まれリーダーゲスまりさ涙目です。 「ごべんなさぃいいいい!!!ゆるじでぇええええ!!!」 恥も外聞もなく土下座するまりさ。さっきまでの勢いはどこへいったのやら。 「あんしんして、まりさ。いまきずのてあてをしてあげるから。」 「ゆ!?」 思わぬ長てんこの言葉にまりさはきょとんとしました。 「ふーふー・・もうおってこないのぜ・・・」 「ハァハァ・・・まったくつかえないまりさだったわ。もっととかいはなだーりんをさがさなくちゃ。」 公園から逃げてきた子分ゲスまりさ達とゲスありす。なんとか逃げ切ったと安堵しています。 しかしゲスまりさ達は知りません。自分達が逃げている先は加工所であることに。 「主任、なんか加工所の前に居た野良ゆっくり捕まえたんですけど、どうします?さっきの奴らと一緒に運び入れときましょうか。」 「ああ。そうしておいてくれ。そのほうが俺達の成績にもなるしな。」 「「「だれかたづげでぇええええええ!!!」」」 ゲスまりさ達とゲスありすの叫びが見事なハーモニーを奏でました。 一方そのころてんこ達とリーダーゲスまりさは 「ゆっへっへ。それじゃあもらっていくのぜ。」 「ええ。うちのむれのてんこたちがたくさんいじめてもらったからそのおれいよ。ゆっくりうけとってね。」 ゲスまりさの帽子のなかにはたくさんのあまあまが入っています。先程、幹部てんこたちが貯蔵庫から持ってきたものです。 長てんこは始めから群れのみんながゲスまりさにどうこうされる心配など一切していませんでした。ドMてんこ達のタフネスは尋常で はなく、ドススパークを受けても平気なほど。せいぜい髪の毛がアフロでガングロになるだけです。ましてや普通のゲスまりさでは致 命傷を与えることなど夢のまた夢。 むしろゲスまりさ達が怪我をしないか心配で長てんこたちはやってきたのです。もし、ここの群れのてんこがゲスまりさに怪我をさせ たなんて噂が流れたらもう虐めてもらえなくなってしまいます。 幸いにもゲスまりさのキズは浅く、薬草を張り、あまあまを食べさせたらすぐ元気になりました。食べきれない分はおみあげです。 「またてんこたちをいじめにきてねぇえええ!!」 てんこ達に見送られながらゲスまりさは町のほうへ姿を消しました。 「ゆっへっへ。てんこたちからあまあまをぶんどってやったのぜ!!」 ニヤリと笑うゲスまりさ。全く敵として認識されず、てんこ達の好意でもらったはずがいつのまにやら実力で強奪したことになっています。土下座したことなどきれいさっぱり忘れて。 きっとてんこ達は自分に恐れをなしたからこのあまあまで許しをこうたに違いない。平気そうな顔していたが、内心やせ我慢していた のだ。そうだ。きっとそうなのだ。このまりさ様が最強なのだ。 ポインポインと町の大通りの方へ跳ねていくまりさ。このまりさの巣は山の中にあり、帰るとしたら逆なのですが。 「ゆふふっ、じじいどもをどれいにしてあまあまをたっぷりみつがせるのぜ。」 聞くところによるとてんこ達のあまあまは人間に貢がせているということ。ならば更に強いまりさなら人間どもを奴隷にできるはず。 もうあんな役立たずで薄情な子分やありすはいらない。じじいどもを子分にまりさ様にふさわしいゆっくりプレイスを築いてやろう。 さすが餡子脳。惚れ惚れするほどのバカっぷりです。 そうこう考えてるうちに大通りにでました。歩道を何人かの人間が歩いています。 「おいそこのババア!!!」 まりさ近くに居たは日傘を持った上品なババ・・お姉さんに声をかけました。 まりさは知りませんでした。この年がいもなくフリフリを着ているお姉さんにババアと言うことがどういうことなのかを。 一瞬ピキィと顔をしたババ・・お姉さん。しかし気をとりなおしたようにニコリと笑います。 「ねえババアって誰のことかしら。この若くて少女臭でピチピチなお姉さんに教えて。」 周りの空気がどんどん冷えていきます。しかしまりさは気づきません。 「はあ?ババアはババアなんだぜ。まったくババアだからみみでもとおいのかだぜ。ババアらしくぼけてないであまあま・・・ゆ?」 お姉さんから立ち上る陽炎のようなオーラにやっとまりさも気づきました。そのオーラの正体・・・それは殺気です。 「口のききかたを知らないクソ饅頭にはお仕置きが必要なようね・・・」 そこにはもう先程までの上品な婦人は居ません。般若のような顔をした女王様が立っていました。 ここにきてやっとまりさは悟りました。自分が絶対踏んではいけないトラの尾を踏んでしまったことに。 彼女の名前は八雲 紫。某スキマ妖怪と同じ名前ですが関係ありません。ここは幻想郷ではなく幻想町です。 株式会社ボーダー商事の女社長にして、この幻想町を表と裏で支配する女帝的存在で希代のドSクイーン。 彼女にババアと言って地獄を見なかった者は存在しません。 「ユカァ!!!」 「ゆべしッ!!!」 いきなり日傘で殴られ吹っ飛ぶまりさ。なおも紫社長の攻撃は続きます。 「ユカユカユカユカユカユカユカユカユカユカァ!!!」 「ゆげ・・・やめ・・・・ゆが・・・・・・」 華麗な空中コンボ。まりさにこれ以上ない痛みを与えつつ死なないような日傘のラッシュ。ドSクイーンだからこそできる芸当です。 この通称「ユカユカラッシュ」は全てのドMお兄さんを満足させる程度の能力を持っていると言われています。 もっともまりさはドMでないので死ぬほど痛いだけですが。 「ユカユカユカユカユカ、ユカァーリン(少女臭)よ!!キラッ!!」 コンボ終了でババァーんとジョジョ立ちする紫社長。まるでどこかのマンガの第5部キャラのようです。 なぜかそのあとキラッのポーズまでしています。もっと自分の年を考えるべきなのですが。 「・・・ずーりずり・・ゆ・・ゆっくりしないでにげるよ・・・・。」 紫社長がジョジョ立ちしている間に、ボロボロの体で尺取虫のように逃げようとするまりさでしたが 「ねぎぃ!!!!」 すぐに気づかれ、あにゃるに傘の先端をねじこまれました。 「なに勘違いしているのかしら。まだ私のお仕置きフェイズは終了してないわ。」 ずっとゆかりんのターン状態。もうこうなると止まりません。 「ふふっ。饅頭ごときが私に向かってババアだの、加齢臭だの、靴下が臭いだの、30にもなってフリフリ着るとかwwwだのよくも まあ言ってくれたわね。その代償高くつくわよ。」 後半はいっていないような気もしますが。 「だれが・・・だれがだづげで・・・」 「安心しなさい。殺しはしないわ。ただ少し無知無学なあなたに世間の常識ってものを教えてあげるだけよ。この紫お・ね・い・さ・ん、がね。」 「ゆべぇええええ!!!まりさのあんこさんかぎまわざないでぇえええ!!!」 傘をまりさのあにゃるに突き立てたまま、まりさを持ち帰る紫社長。 当然まりさの餡子は傘の先端でかき回されます。激痛のあまり悲鳴を上げ続けていますが紫社長は全くお構いなしです。 通行人もまったく気にしていません。ボーダー商事の奇行にいちいち驚いていたら幻想町では生きていけないのです。 ゲスまりさはこの後どうなってしまうのでしょうか。まあどうでもいいことですが。 そんなある日、群れの隣にある公園を散歩していた長てんこは一人のお兄さんに出会います。 モヒカン頭。裸革ジャン。無駄にヒャッハーと叫ぶそのさまは正に虐待お兄さん。 ズキゥウウウウウウウウン。 一目でてんこはそのお兄さんに恋をしてしまいました。 ゆほっ、いいお兄さん。思わずそう口にしてしまうほどです。 お兄さんもてんこが気に入ったらしく革ジャンをはだけながらこう言いました。 「ヒャハないか?」 ヒャハないか?それは虐待お兄さんがドMてんこを虐待に誘うときに使う言葉。 いじめられるのが大好きなてんこは思わずホイホイついていきます。 連れてこられた場所は公衆便所の男子トイレ。ここなら誰にも見られずにすみ邪魔も入りません。 「ヒャッハー!!!いいのかいッ?ホイホイついてきて。俺はノンケだって構わず虐待するようなやつなんだぜ。」 「こんなことはじめてだけど・・いいの。てんこ、おにいさんみたいなひとすきだから。」 「ウヒャッハー!!!うれしいこと言ってくれるじゃないのッ。それじゃあとことん喜ばせてやるからな。」 「お兄さん・・・」 「ヒャッハー!!てんこは虐待だッ!!!」 言葉どおりお兄さんは凄いテクニシャンでした。てんこは全身に与えられる激痛に身を震わせてもだえています。 この日以来長てんことお兄さんは良く会うようになりました。 そんなある日のこと、群れにある異変がおきました。 長てんこが自分の巣から出てこないのです。当然心配する群れのゆっくり達。 「おさ!!おねがいだからでてきてね。みんなしんぱいしてるわよ。」 「ゆっくりしないででてきてね。」 巣の前で長に出てくるよう呼びかけ続ける群れのてんこ達。しかし長てんこは一向に出てこようとしません。 中に入ろうにも枝や石を敷き詰めたバリケードがはってあって中に入れなくなっています。 「しょうがないわ!!ばりけーどさんをこわすわよ!!」 巣のバリケードにむかって体当たりし始めるてんこ達。数回体当たりするとバリケードが壊れ中に入れる程度の隙間ができました。 「おさ、だいじょうぶ・・・・ゆっ!?」 隙間から入る群れのてんこ達でしたが・・・・ 「どおしておさがにんしんっしてるのぉおおおお!!!」 そこにいたのは不自然にお腹の膨れた長てんこ。どうみても胎生にんっしんっしています。 「おさ、だれにすっきりーされたの!?」 「わかった、このまえきたれいぽぅありすね。なんてうらやましい・・・じゃなくてけしからんのかしら。」 「てんこがいってとっちめてくるわ!!そしててんこもれいぷっぷされてくる!!ハァハァ。」 「ちがう。ちがうのよ。わたしがにんっしんっしたのは・・・」 「ヒャッハー、話はすべて聞かせてもらった!!そこから先は俺が話そうッ。」 「ゆ!?おにいさん・・・」 長てんこは驚きました。そこにいたのはあのモヒカンお兄さんだったのです。 「ヒャッハー、それは俺の子なんだッ。そうだろ、てんこ。」 「・・・・・・・・」 「済まない、てんこ。俺が昨夜ムラムラして、下半身のオンバシラから出るケフィアをかけたばっかりに・・・まさかこんなことにな るとは思わなかったんだ・・・」 そうお兄さんとてんこは昨日の夜も会っていたのです。今日は仕事が休みなので昼間から来て今回の騒ぎにあったのです。まあ確かに 人間と不思議饅頭との間に子供ができるなんて普通思いもしませんが。 「・・・・・・・・」 「責任は取るつもりだ。たのむてんこ、俺と一緒になってくれ!!」 「だめよ、おにいさん・・・」 「ヒャハッ!?」 それまで黙っていたてんこが口にした拒絶の言葉にとまどうお兄さん。 「てんこはこのむれのおさなのよ・・・むれのみんなをおいてじぶんだけゆっくりはできないわ・・・」 「そ・・・そんな・・・」 ガクンと肩を落とすお兄さん。落胆のあまり、自慢のモヒカンもひしゃげ、真ん中わけのようになっています。 「どうしたらいいのかしら・・・」 「ゆう・・・」 困り果てる群れのてんこ達。ゆっくりと人間の子供はどちらも愛し合っていなければできない奇跡のはず。 愛し合う二人が引き裂かれることはゆっくりできないことです。 でも群れを大切に思う長てんこをむげにはできない。まさに板ばさみです。 「二人とも、ちょっとまってね!!」 その時群れの後方から大きな声がしました。 「ゆぅ、ちょっとみんなそこをどいてね。」 「ゆっ!!ちょうろう!!」 そこにいたのは長老てんこでした。慌てて道を開けるてんこ達。 もう10年以上生きているので、ゆっくりとしてはかなりの高齢ですが、体中のいたる所に傷痕、右ほほには銃創まであり、まるで死 線を何度も潜り抜けた歴戦の軍人のような顔つきです。 ゆっくりあっきゅんの群れに単身殴りこみをかけ3日3晩虐められたり 虐待お兄さんと100人組み手を行い、1週間ぶっとおしで虐待されたり ヤクザに虐められる為に事務所でおうち宣言して拳銃で撃たれたこともあるという、数々の武勇伝をもつ長老てんこ。 長てんこの育ての親でもあり、この群れの創始者でもあります。 「長・・・あなたは間違っているわ。そんな方法じゃ誰もゆっくりできないわ。」 「ちょうろう・・・てんこだっておにいさんとわかれるのはつらいわ・・・でもてんこにはできないわ。むれのみんなをほうちぷれいしてじぶんだけゆっくりしようなんて。」 放置プレイ、それはてんこ達にとって愛でお兄さんと同じくゆっくりできない言葉。 「そうね。確かにそれはゆっくりできないことだわ。でもあなたはもっと大切なものを放置プレイしようとしているのよ。」 「ゆ!?たいせつなもの?」 「それは貴方の・・・メスブタとしてのゆっくりよ。」 「メスブタとしての・・・ゆっくり・・・」 「貴方は今までのゆん生をすべて長の勉強とお仕事ですごしてきたわ。だからメスブタとしてのゆっくりを知らない。これは長老の責任でもあるわ。群れの長としてのゆっくり、それが貴方にとってゆっくりだとずっと信じてきた・・・」 遠くを見るような目をする長老てんこ。昔を思い出しているのでしょうか。 「でも今日お兄さんを見る貴方の目を見てそれが間違いだと気づいたわ。あなたはメスブタよ。どうしようもなく。ご主人様のお仕置きを物欲しそうに待つ卑しい卑しいメスブタなのよ。」 そう言うとスゥっと長老てんこは大きく息を吸いました。 「てんこ、お兄さんの所へ行きなさい。飛べないブタは只のブタなように、ご主人様のいないメスブタも只のブタなのよ。」 「でも・・・てんこはまだ・・・おんがえししてない・・・」 搾り出すように言う長てんこ。その顔は涙でグシャグシャです。 「バカ・・・親にとって一番の恩返しは貴方がゆっくりすることよ。」 ニッコリと笑う長老てんこ。その頬にも涙がつたっています。 「ありがとう、長老。ここから先は俺の仕事だ。」 いつの間にやらお兄さんがすぐ後に立っていました。モヒカンも雄雄しく復活しています。 「俺だけのメス豚になってくれ。てんこ。絶対におまえをヒャッハーしてみせる。」 静かに、だけどはっきり力強くプロポーズするお兄さん。 「はい・・・ごしゅじんさま・・・」 その熱い思いに長てんこもまた答えます。 「めすぶたよぉおおお!!!おさもちょうろうもさいこーにめすぶただわぁあああ!!」 「おにいさんもすてき!!さいこーにいかした、ぶたやろうだわ!!」 「おしゃがいにゃくにゃるなんてさびしいよ!!でもおしゃがめしゅぶたになるためにがまんするよ!!」 大興奮の群れてんこ達。みな感動のあまり泣いています。 「ヒャッハー!!おまえらだってメスブタだぜ!!!おまえらみんなメスブタだ!!ここはメスブタの群れだ!!」 「さあ、みんなであのおうたをうたうわよ。めすぶたなおさのために!!」 「ヒャッハーあの歌だな!!俺も歌うぜ!!」 おばちゃんてんこが音頭を取ります。てんこにとって歌とはひとつしかありません。 「なにをされていいわ。きもちがいいならー。」 長老てんこの歌声が 「かんじるいたみ、すべーてあまくはげしくー。」 おばちゃんてんこ達の歌声が 「きょうかいしにゃい。」 子てんこ達の歌声が 「反省もしない。ヒャハッ」 お兄さんの歌声が 「ようしゃない。おしおーきが、いますぐほーしい。」 長てんこの歌声が 「なぶられーたかまりゆく、きらめーく、うちょうてんへー」 みんなの歌声が一体となり見事なハーモニーを奏でました。 えっ?イオ●ス?有頂天マゾヒス●ィック? 何をいってるんですか?これはてんこの群れの歌ですよ。例え似たような歌があっても偶然です。 そして一週間後。 お兄さんの家で、てんことお兄さんの待望の赤ちゃんが誕生しました。 「ゆっきゅりいじめちぇちぇっね。」 一匹はてんこそっくりの赤てんこ。そしてもう一匹は・・・ 「ゆっきゅりひゃっはーしちぇっちぇね。」 「ゆっ・・・このこ・・・」 「ヒャハッ・・・・」 「ひゃっはーはひゃっはーだよ。ゆっきゅりひゃっはーしちぇっちぇね。ひゃは。」 あとから産まれた赤ゆっくりにてんこもお兄さんも目を丸くしました。 顔こそ普通のゆっくりですが髪の毛がお兄さんと同じモヒカンになっています。 ヒャッハーと無駄に吠えたりする所もお兄さんそっくり。 どうやらてんこのゆ伝子とお兄さんの遺伝子が混ざってこのようなゆっくりが産まれたようです。 自分のことをひゃっはーだと名乗ったのでゆっくりひゃっはーと名付けました。 「ひやっはー!!すぃーでばくそうだぁああ!!」 お兄さんに買ってもらったすぃーに乗ってご機嫌なひゃっはー。家の芝生をを爆走中です。。 ちなみにすぃーはお兄さんの手でハーレー型にカスタマイズされていて。 2匹が産まれてもう1ヶ月がすぎました。最初は慣れない飼いゆっくり生活にとまどった所もあるてんこでしたがいまではすっかり慣 れてお兄さんの家族との仲も良好です。 「ひやっはー!!おねいちゃんをぎゃくたいだぁああ!!」 「ハァハァ。もっとやってね。もっとすぴーどをあげてね。」 すぃーには姉てんこが糸で括り付けられおり、とても楽しそうに引きずられています。 仲睦まじい兄弟の光景です。いつまでも見ていたいものですが 「虐男、そろそろ出ないと会社に遅刻するわよ。」 現実に引き戻す母の声。今日は日曜ではなく平日なのです。 「こんなに可愛いてんこをてごめにするとはお前も隅に置けないなぁ。」 「お兄ちゃんのエッチー。」 ニヤニヤと笑いながら冷やかす父と妹の虐子。これで冷やかされるのは何度目でしょうか。 ちなみに家族全員お兄さんと同じモヒカンです。 「ヒャハッ。やめてくれよ父さんたち・・・」 「はっはっはっ。照れることはないぞ。父さんも昔はよく野生のきめぇまるをれいぷっぷしたものだ。おかげでついたあだ名が幻想町 のれいぱーありすだ。男はそれぐらいしなくちゃな。」 やたら誇らしげに話すお父さん。どう考えても威張ることではないのですが。 「もう父さんたら・・・会社にいくよ。」 照れくさくなってその場から退散するお兄さん。それをてんこが見送ります。 「おにいさん、ゆっくりいってらっしゃい。」 「ああ。いってきます。」 愛車のハーレーにまたがるお兄さん。てんこの見送りを背に会社にゴーです。 「ヒャッハー!!ハーレーで通勤だー!!!」 違法改造ハーレーで爆音をとどろかせながら会社に向かうお兄さん。ちなみにモヒカンが崩れないようノーヘルです。 どうみても道路交通法違反ですが関係ありません。ここ幻想町では常識や法律にとらわれてはいけないのです。 そう緑の腋巫女も言ってました。 「ヒャッハー!!到着だー!!!」 制限速度を100キロ程オーバーして5分ほどハーレーを走らせているとお兄さんの勤め先ボーダー商事に着きました。 モヒカンなのにサラリーマンなの?と思う人も多いかと思いますがボーダー商事は服装、髪型は完全に自由。 モヒカンだろうが罪と書かれた覆面をつけて仕事しようがフリーダム。副社長がクールビズと称して全裸で社内を歩き回っても誰も文 句を言いません。社の外にでても、ああ、またボーダー商事かと思われるだけです。 そもそも紫社長自身がいい年して少女趣味なフリフリのドレスを着て出社しているので文句を言える立場ではありません。 「ぶひぃー・・・」 「ヒャハ?ゴミ捨て場のほうから何か聞こえたような・・・気のせいか?」 何かゴミ捨て場から声がしたような気がしたのですが・・・ 「まあいいか。ヒャッハー、今日もお仕事だー!!!」 雄たけびをあげて気合をいれるお兄さん。今日も元気にお仕事です。 一方そのころゴミ捨て場では・・・ 「ぶひぃー・・・まりさはぶたです・・・いやしい、いやしいめすぶたです・・・」 其れはゴミ袋のなかでつぶやき続けます。まるで壊れたラジオのように。 「ぶひぃー・・・まりさはぶたです・・・ゆかりさまのめすぶたです・・・ゆかりさまはババァなどではありません・・・えいえんの じゅうななさいです・・・ゆかりさまは、かれいしゅうなどではありません・・・しょうじょしゅうです・・・あしもなっとうくさく などありません・・・じゃすみんのかおりです・・・ぶひぃー・・まりさはぶたです・・・いやしい、いやしいめすぶたです・・・」 この数ヶ月間、紫社長に教育と称してありとあらゆる苦痛を与えられた其れはもう完全に自我を失っていました。 焦点のあわない目をした其れは、いつまでもいつまでもそうつぶやき続けていました。 あとがき いつもご愛読ありがとうございます。長月です。 今回はてんこを主人公にした愛で系ギャグにしてみたのですがいかがだったでしょうか?コメントでご意見、ご感想いただければ幸いです。 追伸 絵本あき様ごめんなさい。 挿絵 by嘆きあき 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) ふたば系ゆっくりいじめ 400 あるゆっくりできない2匹の一生 ふたば系ゆっくりいじめ 441 てんこがゆっくりするSSさん ふたば系ゆっくりいじめ 457 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ ふたば系ゆっくりいじめ 476 ゆっくりを愛でてみた ふたば系ゆっくりいじめ 511 れいむと幸せを呼ぶ金バッジ ふたば系ゆっくりいじめ 528 としあき博士のれいぱーありす矯正計画 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る も、もしかしてく●み●テク(^ω^#)ひえっピチューン -- 2018-01-08 18 40 43 鉄砲をゼロ距離発射でやればいいのに -- 2016-09-03 02 20 38 事務所でおうち宣言wwwwwていうかどうやって入ったwwwww -- 2016-02-20 22 24 09 ヒャハないかww -- 2015-08-20 12 55 12 ある意味最強のゆっくり -- 2015-07-05 10 28 46 てんこちゃんは俺がいじめてやるww(放置プレイで) -- 2014-05-21 21 59 31 人類にははやすぎる -- 2014-03-27 23 29 07 すげぇ胴付きてんこ飼いたいww -- 2013-09-21 23 53 49 ゆwwwかwwwりwww -- 2013-09-21 23 51 59 イオシスwww -- 2013-03-22 20 58 22 長老の武勇伝が普通にすげえwwww -- 2013-01-31 17 31 33 ふむ・・・おもしろい・・・とか半笑いで読み続けてたけど虐男の妹もモヒカンでクッソ吹いたwww -- 2012-12-24 23 16 52 カwwオwwwスww -- 2012-11-19 19 32 15 すげー笑ったwww下手すると非ゆっくり症すら最高の死に方とかいいだしそうだよというかドススパークすらその程度ですむのかよwwwもはや人間より丈夫だよ 因みにおれの性癖はドSでM何だがね -- 2012-08-06 03 27 00 この町にはドSとドMしかいないのかよwww -- 2012-07-20 00 45 20 寝る前にとんでもない良作を読んでお茶吹いたwwww どうしてくれるwwwwww -- 2011-10-12 01 34 23 虐待で死んでも本望ってwてんこ最強すぎるw こいつ!!死の恐怖がないのか!? -- 2011-08-27 21 28 45 おもしれぇwww最高に吹いたぜw モヒカン兄さんも責任取るとか男気有って好きだww -- 2010-10-21 09 19 59 楽しかった てんここそ最強のゆっくりだ -- 2010-09-10 16 05 44 面白かったよ!!てんこはブロント語も良し、かまってちゃんも良し、ドMも良し!! でも挿絵のてんこはキモイ。でも…好き。 -- 2010-07-31 00 21 49
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/574.html
始める前に一言。 どうも某所で「wikiに投下したら叩かれた」というような書き込みがあって、 タイミング的にそれを書いたのは私という雰囲気になっちゃってるようだけど、 私書いてません。やってません。そういうことしません。基本ROM専。 ※ゲスれいむいじめ ※まだいじめなし 母性2 母親を食いつくしてすっかり成体になったれいむは、 毎日ベランダで、歌を歌ったり柵ごしに野良ゆっくりを挑発したりしていた。 餌のほうはこれまでどおり朝晩に俺が出すので心配はない。 「ゆっ!!くそじじぃ!!きゃわいいれいみゅのためにあみゃあみゃもっちぇきてにぇっ!!」 俺が顔を出すたびに唾を飛ばして罵ってくるが、それは無視する。 「ここはくちゃいよっ!!きゃわいいれいみゅがゆっくちできにゃいよ!! れいみゅがゆっくちするにはどうするにょ!!おそうじでしょおぉ!?じぶんでかんがえちぇね!!ぐじゅっ!!」 処理する者がいなくなった排泄物もベランダのあちこちに放置されて溜まっていたが、それも無視。 さて、母親を失い一匹だけになったれいむは全身から寂しさをにじませていた。 素直に「寂しい」などと言ったりはしないが、 野良ゆっくりが通りがかるたびにしきりに話しかけている。 「ゆっ!!のりゃのれいみゅ!!れいみゅはれいみゅだよっ!!」 「ゆゆ………ゆっくりしていってね」 「れいみゅはゆっくちぷれいちゅでゆっくちしちぇるよ!!ゆっくちできにゃいれいみゅはあわれだにぇ!!」 野良ゆっくりのほうは、飼いゆっくりと近づいて、あわよくば自分も飼われようという下心があるので、 飼いゆっくりに話しかけられればほぼ例外なく反応する。 しかし俺のれいむはそんな口ばかり聞いているので、すぐに相手のほうで怒ってしまい、物別れとなる。 立ち去っていく野良ゆっくりの背中に向かって、れいむはいつまでも未練がましく罵りの言葉を投げつけているのだった。 ゆっくりは、人間以上に孤独を嫌がる。 一人では寂しい、家族なり友達が欲しいというのは、食欲や性欲と同等の切実な衝動だ。 頃あいを見計らって、俺はゆっくり観察を次の局面に移すことにした。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆっ!?」 ベランダに投げ込んだのは、ペットショップで買ってきた成体のまりさだ。 突然の来訪者に、れいむは思いのほか素直に挨拶を返した。 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」 「まりさはまりさだよっ!ゆっくりしていってね!!」 「れいみゅはれいみゅだよ!!れいみゅのゆっくちぷれいちゅでゆっくちしちぇいっちぇね!!」 「ゆゆっ?れいむ、あかちゃんことばさんがぬけてないよ?」 「ゆっ!?ぬ、ぬけちぇるよっ!へんなこといわにゃいでねっ!!」 「ゆー、ぬけてないよ!でもゆっくりしていってね!!」 今までは薄汚い野良に悪罵を浴びせていたれいむも、 ペットショップ出身の身なりの整ったまりさ相手には興奮を隠しきれないようだ。 まりさの前でぴょんぴょん飛び跳ねている。 わざわざ買ってきた成体まりさ、お値段およそ五千円也。 本来、道を歩けばすぐに見つかるようなゆっくりなど一匹五百円もしないが、 銀バッジまで取得している躾の行き届いた個体となればそれなりの値段だ。 まあ、大人が趣味で生き物にかける値段としてはそう悪い額でもないだろう。 俺がやることは、ベランダにこのまりさを投げ込み、 あとは窓を閉めて、餌をやる以外は放置するだけだ。 たったそれだけで、思い通り、かつ迅速に事は運んだ。 翌日の朝、カーテンを開いた俺の目に飛び込んできたのは、 頭部に赤ゆっくりが鈴なりになった茎を生やしたれいむの姿だった。 元来が即物的な欲望の塊であるゆっくりのやることなど決まりきっている。 なんでもいいから成体二匹を同居させて放置すれば、ほとんどの場合即座にこういうことになる。 もっとも本人たちに言わせれば、 「うんめいのであいだよ!」「びびっときたよ!このれいむしかいないよ!」というつもりでいるようだが。 「ゆゆ~ん♪れいみゅのあかちゃん、とってもゆっくちしてるよぉ~♪」 「ゆっくりしていってね!!まりさのあかちゃんゆっくりしていってね!!」 れいむは初めての子供に相好を崩している。 同年代の話し相手ができたからか、母親になったからか、早くも赤ゆっくり言葉が抜けかけていた。 父親のまりさも嬉しげにぴょんぴょん跳ねている。 しかし、俺の姿を認めると、まりさは急にあわてだした。 「ゆゆっ!!お、おにいさん!!かってにあかちゃんつくってごめんなさい!! おしおきがんばってうけるよ!!すてないでね!?すてないでね!?」 銀バッジまで取った飼いゆっくりなら、「勝手に子供を作ってはいけない」というルールは刷り込まれている。 しかし、別の成体とひと晩水入らずで放置された結果、結局は我慢できなかったというわけだ。 銀バッジというとすごいようだが、人間と比べれば小学校低学年と大差ない。こんなものだろう。 不干渉のスタンスを通し、俺はそのことについては何も言わず、餌皿だけを置いてベランダから出た。 「おにいさんごめんなさい!」 俺が窓を閉めてからも、まりさの方は律儀に謝ってきていたが、 れいむの方は素早く餌皿に頭を突っ込んで「むーしゃ!!むーしゃ!!」と食べカスをまき散らしている。 「ゆっくちおそうじしてねっ!!」 二匹で争うように餌皿にがっつく食事が終わると、れいむが満面の笑顔で叫んだ。 「ゆゆっ?」 「ゆっくちよくみてねっ!!こんなところじゃあかちゃんがゆっくちできにゃいでしょっ!?」 そう言いながられいむは周囲を見回してみせる。 ベランダ中、れいむがひり捨てたうんうんまみれだった。 こんなところでよくすっきりする気になったものだ。 「ゆゆぅぅ…………」 まりさは逡巡していたが、れいむが一喝する。 「ちゃっちゃとうごいてにぇ!! あかちゃんがうんうんまみれになっちぇもいいのっ!?」 「ゆぅ………ゆっくりおそうじするよ! おにいさん!ぞうきんさんちょうだいね!!」 俺のほうに向かって助けを求めてくるが、無視。 「なにやっちぇるの!?はやくぺーろぺーろしてね!!」 「ゆゆぅ!?うんうんさんはくさくてゆっくりできないよ!!」 「そんなこときいてないでしょおぉ!?あかちゃんがゆっくちできないっていってるんだよっ!! あかちゃんがかわいくにゃいの!?それでもちちおやなのっ!?」 「ゆぅぅぅ!!」 涙目になりながら、まりさは舌でうんうんを舐め取りはじめた。 何度も「ゆぐぇっ」とえずきながら、必死に口中に掻き込む。 「ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪ゆっくち~して~いってね~♪」 れいむの方は、体を左右に揺らしながら呑気に歌っていた。 そんなれいむに向かって、まりさが体を揺らして呼びかけた。 「れいむもゆっくりてつだってね!」 「ゆうううう!!?おうたのじゃまをしないでねええええ!!!」 れいむが爆発するように怒鳴り、まりさはびくりと身をすくませた。 「うまれるまえからゆっくりしたおうたをきかせれば、ゆっくちしたあかちゃんがうまれりゅんだよおおぉお!! それをじゃまするとか、ばきゃなの!?しぬのっ!?なにかんがえちぇるのっ!!! ちちおやとしてのじかくをもってねえええ!!!」 「ゆううう!?ごめんね!!ごめんねっ!!」 れいむの剣幕に押され、まりさは必死に掃除を再開した。 ふーむ。 まりさには気の毒だが、この調子なら俺の見たかった展開が期待できそうだ。 にんっしんっしたれいむは、それから一歩も動かなくなった。 餌皿に近づくにも、ケージの中に入るにも、自分では一切動かずにまりさに押させる。 「ゆっくりしたあかちゃんをうむには、おかあさんがたっぷりゆっくりすることがだいじなんだよ!! れいむはがんばってゆっくりするから、まりさはゆっくりきょうりょくしてねっ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 ゆ~ゆ~歌っている妻をまりさが必死にずりずりと押す。 そんな夫を、押し方がゆっくりしていない、茎が折れたらどうするつもりだと言ってはれいむが責め立てた。 「まりさはたべすぎだよっ!!ゆっくりえんりょしてね!!」 、 子供が実ってから二日したころ、れいむの態度が迅速に変わっていった。 それまで二人で身を寄せ合って頭を突っ込んでいた餌皿を、れいむは舌でまりさから遠ざけた。 「ゆううぅ!?まだはんぶんたべてないよ!!」 「あたりまえだよっ!!れいむのくきにはあかちゃんがいるんだよおぉ!? あかちゃんのぶんだけよけいにれいむがたべるんだよっ!!はんぶんじゃぜんぜんたりないよ!!」 「ゆぐううう!!」 全く反論できず、まりさはもどかしげに小さくじだんだを踏むしかなかった。 そんなまりさには目もくれず、れいむは必死に餌を掻き込んでいる。 「はぐっ!!はふはふっ!!むはっ!!むーちゃ!!むーちゃ!!しあわせー!!おちびちゃんもしあわせー!!」 ここで譲ったのがまりさの運の尽きで、れいむの要求は日増しに増長していった。 赤ちゃんが大きくなるにはもっと食べなければ。 赤ちゃんが大きくなったからもっと。ゆっくりした赤ちゃんにするためにもっと。雨さんが降ったからもっと。 毎日なんらかの理由をひねり出してはまりさの取り分をどんどん削っていき、 今では、まりさは朝晩一口二口程度しか口にできていなかった。 銀バッジまで取るぐらいだから、元来がゆっくりのいい従順な押しの弱い性格である。 まりさはれいむに逆らえず、ひたすら子供のために耐え忍んでいたが、 赤ゆっくりとともにどんどん膨れていくれいむに対し、まりさのほうは微妙にしぼんでいくように見えた。心なしか顔色も悪い。 自分より一回りも大きくなった妻を必死にずりずりと押すまりさの姿は痛ましかった。 「こんなんじゃあかちゃんがゆっくりできないよ!!あかちゃんがしんぱいじゃないのおぉ!!?」 ついに、れいむが叫び散らしはじめた。 まりさには一口もよこさず自分だけでカラにした餌皿の前で、れいむはぼんぼん飛び跳ねている。 「れ、れいむ、はねちゃだめだよ……あかちゃんのくきがゆれちゃうよ……」 「だまってねっ!!あかちゃんのことはれいむがいちばんわかってるんだよ!!? いまはあかちゃんのためにれいむがたくさんたべることがだいじでしょおおぉぉ!! しったかぶりしないでねえええ!!」 要するにこのれいむは、もっと餌が欲しいと吠えているらしい。 「このままじゃごはんさんがたりなくてあかちゃんがゆっくりできなくなっちゃうよ!! まりさはもっとごはんさんをもってきてねっ!!」 「ゆゆ………でもごはんさんなんかないよ……」 「かりにいってくればいいでしょおぉ!?そんなことがなんでわからないの!? ほんとうにこそだてするきがあるのっ!?」 「ゆぅ……」 狩りに行って食事を集めてこい、とれいむは命じていた。 しかし、柵に囲まれたベランダの中では外に出ることはできない。 向かうところといえばただひとつ、俺の家の中だ。 ベランダに面したガラス窓を一瞥し、まりさはゆっくりしていないうめき声を上げた。 「だめだよ、れいむ……おにいさんにおこられちゃうよ……」 「なにいってるのおおおぉぉぉ!!?そんなことどうでもいいでしょおおおぉぉ!!! れいむがまいにちあかちゃんのために、おうたをうたったりゆっくりしたりたくさんごはんさんをたべたり、 ゆっくりしないでがんばってるのに!! まりさはまいにちなんにもしないでごろごろしてるだけでしょおおぉ!! あかちゃんのためにちょっとははたらいたらどうなのおおぉぉ!!?ぐずっ!!やくたたずっ!!」 ゆっくりしないでがんばってゆっくりしていたのか、このれいむは。不可解。 つくづくゆっくりのいいまりさは、帽子の先が床につくほどにうなだれてしまっている。 「さっさといってきてね!!ぐずぐずしてるとゆっくりできなくさせるよっ!!」 れいむの怒鳴り声に見送られ、仕方なしにまりさは狩りに出た。 「どあさんゆっくりあいてね……ずーり、ずーり……」 ガラス窓に頬を押し付け、まりさは必死に開けようとしていた。 俺は考えた。 重ね重ねまりさには気の毒だが、擬似的な「狩り」に赴く父親役というものをやってみてもらおう。 外敵に怯えながらの、自然生活さながらの狩りに、だ。 まりさが鍵のかかったガラス窓と格闘している間に、俺は準備に移った。 ベランダに面した居間の奥にあるキッチンで、ゆっくりフードの袋をわざと倒し、掃除しやすい程度に中身をぶちまける。 ガラス窓の鍵をこっそり開けると、俺は隣室に繋がるドアの奥に隠れて様子を窺うことにした。 鍵の開いたガラス窓を必死になってずらし、できた隙間に体を滑り込ませてまりさが侵入してきた。 不安げに周囲を見渡し、飼い主の姿が見えないことを確認すると、 「ゆっくりごはんさんをさがすよ……そろーり、そろーり」と言いながら床を這い始めた。 見ているほうが苛立つくらいののたのたしたペースで居間を這いまわり、 やがてまりさはキッチンに散らばるゆっくりフードを見つけた。 「ゆゆゆっ!!ゆっくりごはんさんがあるよ!!ゆっくりできるよ!!」 ぴょんぴょんと飛び跳ね、まりさは散らばったフードを必死に帽子に詰め込み始める。 「ゆっくりごはんさんをつめるよ!これでれいむとあかちゃんがゆっくりできるよぉ!!」 腹が減っているだろうに、その場では食べずに家族のために一刻も早く帰ろうとしている。殊勝だ。 ちょっと恥ずかしいが、そこで俺は飛び出していった。 「こらー、何をしてるー」 「ゆゆゆううぅぅ!!みつかっちゃったよおぉ!!」 「勝手に俺のゆっくりプレイスに入ってごはんを盗もうとするとは、ゆっくりできないぞ!」 「ゆあああぁぁ!!ごべんなざい!!ごべんなざい!!おにいざんごべんなざい!! あがぢゃんがゆっぐりでぎないんでず!!ごばんざんがだりないんでずうぅ!!」 「駄目だ、おしおきだ!」 「ゆあああぁぁぁ!!!」 俺はおしおき用の道具を持ち出した。 ゆっくりショップで売っているゆっくり用のおしおきグッズ、『ゆっくりぺんぺん』。 扁平な楕円形の薄い革張りの板に取っ手が付いている体のもので、 表面にはコミカルな絵柄の痛がるゆっくりが描かれている。 名前からしてもぬるそうな一品だが、なかなかどうして―― パァン!! 「ゆびゃばぁっ!!?」 頬を思い切り叩いてやると、まりさは飛び上がって叫んだ。 そのまま痛みに七転八倒し、床を転げまわる。 「いぢゃあああい!!いぢゃああああい!!ゆっぐりでぎないいいぃぃ!!! きいぃんってする!!きいいいいぃぃぃん!!きいいいぃんがやまないよおおぉぉ!!」 うむ、予想以上。 この『ゆっくりぺんぺん』、ゆっくりに外傷をつけずに、それでいて効果的に苦痛を与えることができる。 皮の表面に痛みを与えることを目的としており、 全身聴覚のゆっくりにとっては、皮膚の痛みと同時に、人間で言えば鼓膜が破れるような爆音を聞かされることになる。 全身耳鳴り状態で悶絶するまりさに、俺はさらに打擲を加えた。 パァン!! 「ゆぎぃああああぁぁぁ!!ぼうゆるじでええええぇぇぇ!!!」 単純な見た目に反し、『ゆっくりぺんぺん』のデザインは考え抜かれている。 楕円形の板は二重構造になっており、打った際に内部で二枚の板が打ち合って振動を起こし、 皮の表面を痛くするばかりでなく、衝撃が波のような振動となって体内にまで浸透するようになっている。 いまやまりさの体内の餡子はシンバル状態。 「ゆげっ!!ゆぎっ!!」 あ、いかん、ちょっと吐いた。 強力なおしおき道具だけに、力をセーブして使う必要があるようだ。 まりさがある程度回復した頃に、俺は再びゆっくりたたきを振り上げて見せた。 「ゆぅぎいいいぃぃ!!あがぢゃん!!あがぢゃああああああんんん!!!」 まりさは泣き叫び、しかし我が子を呼びながら必死に帽子でゆっくりフードをすくい取り、 俺の脇を抜けてベランダへ戻ろうとしはじめた。 飼い主への忠誠よりも、家族を選んだというわけだ。 「ゆっくりに家族を作らせるな」というゆっくり飼いのセオリーは、やはり正しいようだ。 これほど躾けられたまりさでさえ、今、この俺に逆らって家族のもとへ逃げ出そうとしている。 ゆっくりにとって一番ゆっくりできることは、やはり人間に飼われるのではなく、ゆっくりの家族でゆっくりすることなのだ。 ゆっくりを飼うなら、それを知らせてはいけない、気付かれてはいけない、ということなのだろう。 さて俺は、最初からそれを想定しての実験なので好都合だ。 「狩り」に危険を伴わせる外敵を演じ、逃げようとするまりさの尻っぺたに、さらに二発ほどゆっくりぺんぺんをくれてやる。 パァン「ゆぎぃ!!」パァン「でいぶうぅぅ!!」 そして最後には、ベランダから逃げ出すのを黙って見送ってやった。 「ゆっくりおそいよっ!!」 全身に打たれた跡を薄く浮かび上がらせ、涙と涎、しーしーまで垂れ流してベランダに這いこんできたまりさに、 我がれいむは手厚いねぎらいの言葉をかけた。 「あかちゃんがおなかをすかせてるでしょおおぉ!? ゆっくりむーしゃむーしゃするよっ!!ゆっくりしないでもってきてね!!」 「ゆ゛っ…………ゆ゛っ…………」 文句を言う気力もなく、ぜひぜひと息をつきながらまりさはフードの詰まった帽子を妻の元に引きずっていく。 目の前に差し出された帽子の中に舌を伸ばし、れいむはがつがつと食べ始めた。 「はふっ!!はふっ!!はっふっ!!うっめ!めっちゃうっめ!!むーしゃむーしゃ!!おちびちゃんしあわせー!!」 まりさの方も、おずおずと帽子に舌を伸ばした。 しかし、目ざとく見咎めたれいむが素早くその舌を踏みつけた。 「ゆびゅぅっ!?」 「なにぬすみぐいしてるのっ!?どろぼうさんはゆっくりできないよ!! あかちゃんのまえでそんなすがたをみせてへいきなのっ!?!!」 お前……… 「ば、ばりざにも……だべざぜでね……… もう……ずっど、だべで……ないんだよ………」 「ゆがあああぁぁ!!なんでそんなにあつかましいのおおぉぉ!!? こんなんじゃぜんぜんたりないよ!!あかちゃんのぶんだけでぎりぎりだよ!! ちちおやなんだからあかちゃんをいちばんゆっくりさせなきゃいけないんだよっ!! まりさもたべたかったらまりさのぶんもとってくればいいだけでしょおおおぉぉ!!?」 「ゆあっ………ゆぐっ…………」 「なまけもののまりさにあげるぶんはないよっ!!ゆっくりみててね!!」 結局、まりさが身を呈して盗んできたゆっくりフードはれいむが全て平らげてしまった。 「ゆっぷー☆ゆっくりごこちがついたよ!!」 「……………」 「あかちゃんたちとすーやすーやするよ!!ゆっくりおうちにはこんでねっ!!」 でっぷりと太ったれいむの背中に回り、まりさは体を震わせながらケージに向かってずりずりと押し始めた。 押されながら、れいむはこう言った。 「あしたのかりはもっとたくさんとってきてねっ!!」 まりさはびくんと体を震わせ、再びれいむに一喝されるまでしばらくの間動かずにいた。 それから毎日、まりさは俺の部屋に侵入して「狩り」を行った。 なけなしのゆっくりフードを帽子にかきこみ、毎回俺に見つかってゆっくりぺんぺんの打擲を全身に浴びる。 俺が待ってやることで、まりさが持って帰るフードの量は調整できる。 しかし、どれだけ多くフードを持ち帰ろうと、 れいむは「あかちゃんのぶんしかないよっ!!」と叫び、まりさの取り分はなかった。 まりさは初めのほうこそ家族の元へ戻ることを最優先にしていたが、れいむが分けてくれないとわかると、 見つけた時点で少しでも食べようとするようになった。 れいむの増長はとどまることを知らず、日に二度、三度も狩りに行かされるようになった。 その度に俺に打たれ、まりさの全身から跡が消えることはなかった。 「ゆ~ゆ~ゆゆゆっ♪ゆっゆっゆ~♪」 まりさがますますやつれていることもあり、 まりさに比べてふたまわりも膨れているれいむが枝を揺らして子守唄を歌っている。 そんなれいむの陰で、まりさは毎日ゆぐゆぐと体を震わせて泣きじゃくっている。 泣きじゃくるまりさに向かって、れいむはさらに叫ぶのだった。 「いいかげんにしてねっ!!ないたってだれもどうじょうしないよ!! まりさはちちおやでしょおぉ!?ちょっとくろうするぐらいでみっともないよっ!! ぜんぶぜんぶおちびちゃんのためなんだよっ!! おちびちゃんがゆっくりすることが、おやはいちばんゆっくりできるんだよおおぉぉ!!」 そうこうするうち、ついに赤ゆっくりが生まれ落ちた。 「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」 れいむ種三匹、まりさ種二匹の計五匹だった。 「ゆっくりしていってね!!れいむがおかあさんだよっ!! あかちゃんたちとってもゆっくりしてるよおおぉぉ!!」 「まりさのおちびちゃんゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってねええ!!」 初めての子供に嬉し泣きする両親。 やつれているまりさも、この時ばかりは喜びに沸きたって飛び跳ねていた。 ベランダの床に転がってぷるぷる震える赤ゆっくり達を両親がぺろぺろと舐める。 「ゆー、おきゃーしゃんとしゅーりしゅーりしゅるよ!!」 「おちょーしゃんのおぼうち、とっちぇもゆっくちしちぇるにぇっ!!」 「ゆゆーん☆おしょとはゆっくちできりゅよ!!」 「ゆふふ、おちびちゃんたち、あわてないでゆっくりしようね!! ゆっ!そうだよ!おちびちゃんたち、おなかぺこぺこだよね!!まりさ、れいむのえださんをおってね!!」 まりさが茎を折り取ると、れいむがそれを小さく噛みちぎり、咀嚼して柔らかくしてから赤ゆっくりに与えた。 「おちびちゃんたち、これをたべてね!! ゆっくりはじめてのごはんさんをむーしゃむーしゃしようね!!」 「ゆっくちいただきまちゅ!!」 「むーちゃ!!むーちゃ!!うっめ!!これめっちゃうっめ!!」 「ゆっくちできりゅよぉぉ!!」 夫婦は眼を細めながら、そんな子供たちの様子を満足げに見守っていた。 ふーむ、なんともほのぼのした一家団欒だ。 このぶんだとこのれいむも、なかなかまともなんじゃないだろうか。 しばらくの間、一家は仲良く騒いでいたが、 やがてれいむがまりさに向かって言った。 「それじゃまりさ、かりにいってきてね!!」 まりさの体がびくっと硬直する。 しかし、待ちに待った我が子を見回してからまりさは気丈に言った。 「ゆっくりかりにいってくるよ!!まっててね、おちびちゃん!!」 「おちょーしゃんどきょいきゅにょ?」 「まりしゃもちゅれてっちぇえ!!おいちぇかにゃいでぇ!!」 「ゆふふ、だいじょうぶだよ!!おとうさんはごはんさんをとりにいっただけだよ!! すぐにゆっくりできるごはんさんをもってかえってくるからね!! さあ、おかあさんとすりすりしようね!!」 「ゆゆっ!!しゅーりしゅーりしゅるよ!!」 呑気に微笑んで、れいむは赤ゆっくり達と頬をすりつけ合っていた。 パァン!!「ゆぎゃあああぁぁあ!!ごべんなざいいいいぃぃぃいいいぃぃ!!!」 「ゆっ!?」 突然家の中から聞こえてきた音と悲鳴に、赤ゆっくり達が身をこわばらせる。 パァン!!「ぼういだいごどじないでぐだざいいいいいいぃぃ!!!」 パァン!!「おぢびじゃああああああん!!おぢびじゃあああああああんんん!!!」 「ゆゆっ!?おちょーしゃんのこえだよっ!?」 「おちょーしゃんゆっくちしちぇにゃいの!?」 「だいじょうぶだよ!かりはちょっとだけたいへんなんだよ!! だけど、おとうさんもおかあさんも、あかちゃんたちがゆっくりするためならへいきだからね!!しんぱいしないでね!!」 父親の悲鳴に怯える子供たちを、れいむはにこにこしながらなだめていた。 「ゆ゛あ゛っ……………あ゛っ…………」 満身創痍でベランダに這いこんできたまりさを、赤ゆっくり達が取り囲んで泣き叫んだ。 「ゆあああぁぁ!!おちょーしゃん!ゆっくちしちぇええぇ!!」 「おちょーしゃんどうちたにょ!?いちゃいいちゃいなにょっ!?」 「ゆえええぇん!!ゆええええぇぇん!!」 「ゆ゛………おぢびぢゃん………ばりざの、おぢびぢゃん……… ばりざは……だいじょうぶ……だよ…………ゆっぶ……ゆっぐじ、ごばんにじようね………」 「ゆっ!!おちびちゃんたち、いっぱいむーしゃむーしゃしようね!! おとうさんのことはしんぱいしなくていいからね!!」 「でみょぉ!!でみょおおぉぉ!!」 「おちょーしゃあああん!!!」 「だいじょうぶだよ!!おかあさんのいうことをきこうね!!」 父親にすがりつこうとする赤ゆっくり達をれいむは舌で優しくひきはがし、 まりさが引きずってきた帽子の前に並ばせた。 「ゆっくりむーしゃむーしゃしてね!!」 赤ゆっくり達はまだ父親のほうが気になる様子だったが、 食欲には勝てず、帽子に詰まったゆっくりフードをがつがつ咀嚼しはじめた。 やがて子供たちは満腹になり、帽子には半分以上のゆっくりフードが残った。 「ゆーん☆おなきゃいっぴゃいになっちゃよ!!」 「ゆっくちうんうんちゅるよ!!」 「しゅっきりー!!」 ゆっくりという生物は、おおむね食事と排便がセットになっている。 食後のうんうんをそのへんにひり出す赤ゆっくり達。 「おちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるね!! それじゃあのこりはおかあさんがたべるね!!」 そう言うと、れいむは帽子に頭を突っ込んでがつがつやりはじめた。 「ゆ゛……ゆ゛……ばりざも……」 まりさも必死に震える体を起こし、ゆっくりフードにありつこうとする。 そんな夫を、れいむは肥満した身体で弾き飛ばした。 「ゆぎゃぁっ!?」 「まりさのぶんはないよ!! まだまだたりてないよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「ゆ……な……なんでえええぇ!? おちびちゃんたちはもうじゅうぶんたべたでしょおおぉぉ!?」 「あかちゃんのため」「あかちゃんのぶん」と言われて、 今までずっと食事を削られるのも、辛い狩りも耐えてきた。 そして今ようやく生まれた子供たちは、それぞれ満腹だと言っている。 なんだ、充分足りてるんじゃないか。 ようやく自分の取り分が取れると喜んだ矢先のことだったのだろう。 まりさはいつになく食い下がり、妻に向かって怒鳴った。 途端に、それをはるかに超える声量の怒鳴り声が返ってきた。 「れいむはこどもをうんだばっかりでつかれてるんだよおおぉぉ!? しゅっさんっちょくごのははおやのごはんさんをよこどりしようとか、ばかなの!?しぬのっ!?」 妊娠型ならともかく、植生型の出産なんだからそんなに母体に負担がかかってるようには見えないが。 「れいむはこれからあかちゃんたちをそだてなくちゃいけないんだよっ!! ゆっくりできるおうたをおしえなきゃいけないし!!ゆっくりできるおさほうもおしえなきゃいけないし!! おちびちゃんたちがゆっくりできるようにたくさんたくさんおせわしなきゃいけないんだよっ!! きょうかられいむはあかちゃんたちのゆっくりのためにすべてをぎせいにするんだからね!! たくさんごはんさんをたべてがんばらなきゃいけないんだよおおぉぉ!! まりさはかりをするしかのうがないんだからもっともっともってきてねええぇぇ!!!」 まりさはとうとう折れ、ぐったりとうなだれてしまった。 妻の体格が自分よりはるかに大きくなっていることも大きかったのだろう。もはや逆らうすべはなかった。 赤ゆっくり達はというと、母親の剣幕にすっかりおびえてしまっていた。 「ゆぅぅ………おきゃーしゃん……ゆっくちしちぇえ……」 「おちょーしゃんをいじめにゃいでね……?」 「おちょーしゃん!おちょーしゃん!!」 なお父親に駆け寄ろうとする赤ゆっくり達を舌で制し、れいむは再びにこにこ顔に戻って言った。 「ゆっ、おちびちゃんたちはしんぱいしなくていいよ!! おとうさんがなまけものだから、ちょっとおこっただけだよ!もうこわくないよ!! おかあさんとおうたをうたおうね!!ゆっくりできるおうたをおしえてあげるよ!!」 「ゆゆぅ……ゆっくちうちゃうよ!」 「おちょーしゃん……」 「おうちゃはゆっくちできりゅよ!」 「まりさはおちびちゃんたちのうんうんをかたづけてね!!」 まりさはうなだれたまま、答える気力もなく子供たちのうんうんを舐め取り始めた。 それを見て子供たちがまた声をあげる。 「ゆぅぅ!?おちょーしゃんなにしちぇるにょ!?」 「おちょーしゃんやめちぇえ!!うんうんしゃんはくしゃくてゆっくちできにゃいよぉ!!」 「おちびちゃんたち、だいじょうぶだからね!! ゆっくりぷれいすがくさいくさいのはいやだよね? おちびちゃんたちのうんうんだったら、おかあさんたちはぜんぜんへいきなんだよ!!」 子供たちと過ごす、夫婦の初めての一日はこんな調子だった。 さて、どうなるか。 続く このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1250.html
迷作劇場 38KB 虐待 制裁 愛護 理不尽 差別・格差 実験・改造 家族崩壊 飼いゆ ゲス 現代 独自設定 うんしー 小ネタ集 ・小話を四本収録した子ネタ集 各作品のお話の長さと温度差は激しいと思います 全て独立したお話でそれぞれの関連性はありません ・作品ごとのタイトル横にぺにまむうんしーの注意書きがある場合 駄目な方は回避をしてください ・いつも以上に補足部分が多めになっています ※ひとつめ『 異常を感じたら病院へ 』 畳敷きの部屋の中、 テレビから照射されたバックライトが青年とれいむを明るく照らす。 『あなたのゆっくり。大丈夫ですか?』 オドロオドロしい音楽とナレーションで見ている者達に不安を与える番組構成。 それに魅入られたかのように興味を示す青年とれいむ。 『生活の中でこんなことはありませんか?』 女性がゆっくりを抱っこしながらキスをした。 普段行っている愛情表現。 その数日後、女性が夜に洗面台の鏡を覗くと小さな黒い染みが右頬に浮き出ている。 美容のためにビタミン剤を飲んでその日は就寝。 そして次の日、女性は仕事場で倒れた。 そのまま緊急入院。 2ヶ月もの長期治療となってしまった……。 「……」 「ゆ?」 俺は足元のれいむを見る。 れいむはなんだか解らない顔をしていた。 思い当たる事がある俺にとっては人事ではない。 『ゆっくり達にこのような事がありませんでしたか?』 ある日の午後。 Aさんが飼っているまりさが傷を負ってしまいます。 直ぐに小麦粉を塗って治療をして安心するAさん。 夜は何時も通りにまりさと一緒に就寝しました。 数日後。 Aさんは激しい頭痛に襲われます。 フラフラとして立ってるのも億劫な状態。 病院にいきましたが、診断結果は原因不明。 医者にも解らない未知の病。 Aさんも入院をして闘病生活を余儀なくされました……。 「……」 「ゆ? ゆ!? やめてねっ! れいむをぐいぐいおさないでねっ!?」 俺はれいむを足で押す。 なるべく遠くへと離すためだ。 それ以上、絶対こっちに近づくな! 『……原因はゆっくり達にあったのです』 最初のケースの飼いゆっくりも怪我をして治療された後がありました。 その際に刺さったのは汚れた鋭利な突起物。 汚い画鋲が足に食い込んでいたのです。 Aさんの事例で原因になった物は食材を切っていた小さな刃物。 不注意で刃物を落として飼いゆに刺さり、体の内部まで傷つけてしまったのです。 でも、それぞれの飼い主はゆっくり達の回復力が強いのは知っていました。 適切な対処で最善な治療。 傷口もあっという間に塞がり、ゆっくり専用病院に行く事はありませんでした。 しかし、ゆっくり達には思いもよらない変化が待っていました。 ゆっくり達の体中では悪性の菌が繁殖していたのです。 それがキス等の過剰な接触で飼い主にうつり、体調の異常を引き起こしたのです。 「……!」 「やめてねっ! おねがいだからやめてねっ! れいむなにもわるいことしてないのに!?」 俺はゴミ箱にれいむを捨てた。 ゴミ箱の入り口が狭くてれいむの腹付近から奥に入らない。 更に力を込めて押し込んでいく。 『ですが、ご安心ください。さまざまな対処法がありますが……』 まずは、熱湯消毒。 外皮の洗浄方法は…、 その言葉を聞いた青年はれいむをゴミ箱から引っ張り出した。 「お風呂に入ろう。よかったなれいむ。湯加減はどうだい?」 「あづづづっ゛!? あつすぎるよ! もうすこしぬるめにしてねっ!?」 タライにれいむを入れて熱湯をかける。 何時もよりかは、ほんの少々熱めのお湯だ。 そう。ほんの少しだけ。 次は粗塩の散布。 外皮だけではなく中身も対象。 それに……、 「中もかよ!? 面倒くさいな」 「ゆおうっ! すんごくしみるよおおおっ! だめええええええっ゛!?」 外皮にパラパラと塩を振っただけでこの痛がりよう。 当然だよな。 先程の熱湯シャワーで外皮が剥けてる箇所もあるし。 青年はその後もテレビで紹介された対処方法を実行していった。 「…こんな所かな?」 「……どぼじで……どぼじでごんなごどずるのおっ?……」 俺の目の前には消毒が完了したれいむの姿が。 頭の黒髪はボロボロ。 飾りのリボンは真っ白に漂白。 眼球を取り出し、洗ってから元に戻した。 雑に洗浄したからシクシクと痛むのかもしれない。 ずーっと、れいむは泣きっぱなしだ。 中身の餡子にも塩と砂糖を混ぜたし、歯も一本残らず全部抜いた。 ぺにとまむも火で炙って作業完了。 これでパーフェクトれいむの誕生だ! 青年はれいむを見ながら満足そうに頷いている。 しかし、その耳に残酷な言葉が聞こえてきた。 『……などの処置は、全くもって無意味なので、絶対に行わないでください』 「……え゛?」 青年の動きが止まる。 その前には変わり果てたれいむの姿。 そして、先程までの情熱と興奮が冷めた青年は指定ゴミ袋を取り出した。 「やめてねおにいさん! かわいいれいむになにをするきなの? がさがささんをちかづけないでねっ! いやだっ! はいりたくないよっ!? うわあああああああああああああああああっ゛!!!?? 」 青年は目の前のクリーチャーをゴミ袋に放り込み袋の入り口を硬く結んだ。 そのままゴミ袋を台所の隅へと放り投げる。 「あーあ~っ…やっちまった……。明日新しいの買いにいくか」 テレビの画面を見ながら悲しそうに呟く青年。 繭を寄せて深く溜息を付く。 次の日、青年は新商品の『抗菌れいむ』を購入。 この番組はこの商品を売り出す為の布石だった。 ……との噂もあったとかないとか。 『ちなみに今では薬がありますので簡単に治ります。体の異常を感じたら病院へと行きましょう』 そのナレーシションに合わせて、 入院していた人がが笑顔で退院するシーンを最後に番組は終了した。 ・ゆっくりの体内で菌が繁殖するお話 かなり大げさに書いています ※ふたつめ『 そろもんおうのゆびわ 』・ぺにセリフとうんしー有り お姉さんが飼いゆと触れあいコミュニケーションを取っている。 スキンシップや優しい言葉。 正しい教育をする為には何よりも欠かせない事だ。 「ちーんぽ!」 「お水さんが飲みたいのね。持ってきてあげる」 「まらまら!」 「頭を撫でて欲しいの。ふふっ。みょんは甘えんぼさんね」 みょんの頭を優しく撫でるお姉さん。 笑顔でうっとりと目を瞑っているみょん。 甘いゆっくりとした雰囲気が周囲を包む。 「……どういうことなの?」 その状況を見つめる金髪のゆっくり。 先程、この家に連れてこられた新入りだ。 「あら? ありすゴメンね。紹介するわ。私の可愛いみょんよ」 「ちーんぽ!」 ありすは細目でみょんを見つめている。 心の中で、『下品な言葉は都会派じゃないわ……』と、思いながら。 「ちぽちぽ!」 「みょんの挨拶はゆっくり出来るわ~」 お姉さんはみょんにメロメロだった。 みょんをその胸に抱き上げて、ベタ褒めしながら頬をすり合わせる。 「…………」 その状況をありすは黙って冷たい視線で見続けた。 このありすはペットショップから買われて来たゆっくりだ。 最初は高値で売られていたのだが、売れ残って価値がどんどん下がっていった。 プライドを持って懸命に耐えていたありすだったが、体が大きくなるにつれて不安が増してきた。 そして、赤ゆの時期が終わったゆっくりなどの買い手は中々つかず、虐待用の購入としては少々お高い。 『処分品……』と、店員がボソリと言う度に、ありすは飛び跳ねて怯えていた。 ありすの目の前には、特価品と処分品の棚が見える。 『あそこには絶対に行きたく無い!』とありすは思い、プライドを捨てて客に媚びるように懇願し始める。 後日、このお姉さんがありすを購入し、念願の飼いゆとなったのだった。 「……まあいいわ。ありすにとかいはなおしょくじをよういしてね」 溜息混じりにありすが呟く。 しかし、お姉さんは動かない。 「ゆゆ? ありすのびせいがきこえないの! とかいはじゃ……」 "パシーンッ!!" 部屋に鳴り響くのは平手の音。 ありすの左頬が掌状に赤く染まった。 瞳に涙の粒が溜まっていく。 「ありすのびはだになんてことするのっ!? とかいはじゃ……」 泣き出したありすが又もお姉さんの平手を受けた。 乾いた音が再度響き渡る。 それはありすが喋らなくなるまで続いた。 「ゆ……ゆぶっ゛! ゆぶうううううううううううっ゛!?」 両頬をパンパンに腫らしたありす。 見た目はかなり滑稽な部類に入るのだが、 お姉さんは笑わず、ありすと同じ様に悲しみの涙を流していた。 「ありす! なんでそんな言葉を口にするのっ!?」 涙をポロポロ流しながら叫ぶお姉さん。 「ゆぐうっ゛?」 頬が腫れて満足に体が動かせなくなったありすが上目使いでお姉さんを見上げる。 「そう……解ってくれたのね。お姉さん嬉しいわ。」 ありすはこの状況を把握しきれていない。 だが、一つだけ理解した事がある。 それは喋ると平手が飛んでくると言う事だけ。 ありすは口から言葉を出す事が出来ない。 「ありす。これからは汚い言葉を喋っちゃ駄目よ?」 お姉さんが片手でありすの為に用意された専用食器を持ち上げる。 そして、その中へ乾燥したフードをザラザラと入れていく。 「お姉さんは、ゆっくりの考えている事が手にとるように解る、飼い主さんなんだから!」 ありすにご飯が入った食器を突き出しながらそう断言した。 部屋の一室。 ありすはベットの上で目を覚ます。 「…ゆ?……ゆっくりおきるわっ!!」 叫びながら体を起した。 しかし、ありすはその後、怯えながら周囲に体を振り始める。 上下左右を確認したありすは、心から安心したかの様な重い溜息を吐き出した。 「あれ? ありす起きたの。おはよう」 髪の毛を逆立てありすは盛大に跳ね上がる。 狙いすましたかの様なタイミングで声を掛けられたありす。 ビックリしすぎてしーしーが漏れてしまった。 「うわーっ。大変大変!」 パタパタとスリッパを鳴らしタオルを取って来たお姉さん。 ありすの濡れたベットと体を丁寧に拭き始める。 「ゆっ……ゆっくりーっ!」 「そう。気持ちいいのねー。」 ありすは怯えながら震えた声で会話を行った。 寝起きの叫びは聞かれてはいなかったらしい。 ありすは今度こそ本当に安心できた溜息を漏らす。 「ゆ~っ…」 「そうなんだ。はいありす。うんうんさんしようね」 目を見開き驚きを露にするありす。 だが、お姉さんはニコニコと微笑みながらありすをトイレに連れて行った。 「新しく交換したシートで一杯うんうんさんしてね。あーりす」 綺麗なトイレシートの上でありすは困惑していた。 朝ゴハンを食べずにうんうんを出せと? 一体何を考えているの? この飼い主は都会派じゃないわ! そう思いながらありすは微動だにしない。 「あれ? ありすどうしたの? まさか……お姉さん間違えちゃったの!?」 悲痛な叫び声を上げるお姉さん。 それを見たありすは覚悟を決めて両目を見開いた。 「ゆ…おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!!!?? 」 ありすの根性が、今、試される。 大いなる力があにゃるに集中して頑強な封印を強制解錠。 魂が込められた懇親の作品がシート上に盛り上がった。 ありすはガツガツと朝食を食らう。 体から無理矢理に捻り出したありすは、完全に限界に達していた。 何故ならば予定以上の作品が体の外に出てしまったからだ。 後少し食事を取るのが遅かったならば危なかった。 まさに空きっ腹の体内にご飯を詰め込んでいくありす。 「むーしゃむーしゃ! とかいはなおあじだわーっ!!」 歓喜の声を上げるありす。 当然、強めの平手が飛んでくる。 お姉さんの躾は厳しい。 「ゆっくりーっ!?」 片頬を腫らしたありすがお姉さんに訴える。 叩かれた文句を言っているの訳ではない。 ありすは、『ご飯さんが足りないからお代わりが欲しい!』と、伝えている。 「解ったわ。あーりす。遠慮せずに沢山飲んでね」 「ゆっ? ……おうっふ!?」 "ドンッ!!"と、置かれた丼にはお水が満載に入れてあった。 水面に出来た小さな波がチャプチャプと左右に揺れる。 ありすは目の前に聳え立つ大盛りの強敵を見ながら、 『どう間違えばこうなるのか!?』と、思いつつ目を見開いていた。 体を震わせながら佇むありす。 微動だにしないありすに向かいお姉さんは言葉を掛ける。 「まさか……お姉さん間違えちゃった……の?」 その心から悲しそうな言葉を。 何故かありすは胸が締め付けられる思いで耐えられなくなった。 もう、ありすのする行動は一つしかない。 気合を入れて息を吸い込み、強敵の"DONBURI"に向かっていく。 「ゆおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!?」 グビグビとお水を喉を通していくありす。 満載に入っていた丼の水かさがどんどん減っていく。 ありすのお腹はパンパンに膨れていった。 「いっぱい飲んでね! あーりす!!」 嬉しそうに微笑むお姉さんはとても幸せそうだった。 「ゆー、おえっぷ!」 廊下をそろそろと歩くありす。 先程トイレで大量のしーしーをしたらしいのだが、完全に水分を排出しなかったらしい。 過剰摂取したお水が自分の中身と濃厚に交じり合っていたので、あのまま出し続けたらそのままご臨終だった。 ナイスな判断をしたありすだったが、 ちょっとでも衝撃を受けると危険な描写になるのは変わっていない。 ありすの体調状況は前と何も変わらず、体の中ではレッドシグナルの警告が煩く鳴り響く。 「あのかいぬしはなにをかんがえているのかしら?」 ブツブツと子声で呟く。 ゆっくりとは程遠い環境に身を置くありす。 文句の一つでも出るというものだ。 「あーりす! こんな所でなにしてるの?」 又もビビらさせたありすは飛び上がる。 今回は漏らさずに"キュッ!"と、蛇口を締め上げた。 「ゆ、ゆっくり~!」 適当に言葉を吐くありす。 その間にあんよは危険区域から離脱する為に走り出す準備をしていた。 「へ~。そうなんだ! 解った!」 「ゆんゆん!」 ありすが適当に相槌を交し駆け出そうとした瞬間、 お姉さんの手がありすの肌を掴み、廊下の中央に引き寄せていく。 「いっぱい遊んであげるね!」 猫じゃらしの様な物を取り出して左右に振り出すお姉さん。 ありすは、"ぷら~ん、ぷら~ん"と、揺れる柔らかい素材を見ながらフリーズしていた。 この体調で遊べとっ!? お腹からゴロゴロ鳴らしながら震えるありす。 臨界点は近い。 「まさか……お姉さん……間違えちゃったの?」 そのお決まりのフレーズを耳にしたありす。 「いったらあああああああああああっ!? とかいはないきざまみとけやああああああっ゛!!」 ありすは覚悟を決めて突進していく。 左右に激しく揺れる獲物に全力で立ち向かうありす。 何度かダブダブのお腹を廊下に打ちつけた後、 押さえ切れない奔流がありすの体内から込みあがってくる。 「んぐっほおっ゛!? (ビクンビクンッ!!)」 直後、汚い華が廊下に咲き乱れた。 突然の惨事が展開された為、 ありすのお喋りに対するお姉さんからのお仕置きはお流れとなった。 「ゆっくりお休みしてね。ありす」 お姉さんが、そっと毛布をありすの上に乗せる。 治療されたありすは何とか一命を取り留めた。 今はベットから降りる体力さえも残っていない。 「……ゆはぁ~っ」 今が一番ゆっくりできるよ。 そう思いながらもぞもぞと寝返りを打つありす。 ひと時の安息をじっくりと味わう。 「ぺーにす!」 床に伏せるありすの耳に声が届く。 それは先住者のみょんが出した言葉だった。 みょんの前にはご飯さんがある。 ありすがこんなに大変な目にあってるのに、あいつはご飯さんを一杯食べてるのねっ! みょんは都会派じゃないわっ!? 怨念を込めた眼差しでみょんを見つめるありす。 視線の先に居るみょんに穴が開きそうだ。 「ちーんぽ!」 「そう。一杯食べてね。みょーん」 しかし、ありすは何かがおかしい事に気付いた。 「びっくまらぺにーす!?」 「これだけじゃ足りないの。解ったわ追加してあげるね」 みょんの前にはお皿が一つと丼が一つ。 どちらも溢れんばかりのフードが盛り上がっている。 「まぐなむ!?」 「嬉しいのね。気にしなくていいのよ。だって可愛いみょんの為なんだから」 涙目のみょんと笑顔のお姉さん。 これは何処かで見た光景だとありすは感じていた。 「……食べてくれないの?……まさか……お姉さん間違えちゃった?」 聞きなれたその言葉。 みょんの顔に決意が灯る。 自分もあんな顔をしていたのだろうか? 凛々しいみょんを見ながらありすはそう思った。 みょんが口の中にフードを詰め込み始める。 まるで親の敵でも食らうかのような鬼の形相で。 それを見ているお姉さんは笑顔だった。 とても嬉しそうな表情。とても幸せな微笑みをしていた。 大きなゲップをしながらその場に倒れるみょん。 辛くも丼のご飯を完食し、お腹が大きく膨れていた。 そして、みょんのあにゃるから大きな塊が床に漏れ出す。 「あ~っ! こんな所でしちゃ駄目だっていつも言ってるのに~。も~っ。 この癖だけは治らないな~。どうしてなんだろ?」 慌ててみょんをトイレへと運ぶお姉さん。 その際、みょんの目線がありすに向けられた。 ほんの少しの僅かな時間。 たった一瞬視線が交りあっただけだったが、ありすとみょんは分かり合えた。 後日、全快したありすとみょん向かい合う。 互いは静かに歩みより、熱い抱擁をかわした。 瞳から溢れ落ちるのは感激の涙。 この戦場で出会った友を胸に抱きながらありすとみょんは泣いていた。 どちらかと言えば、みょんの方が強く感動している。 なにせ、やっと出会えた戦友なのだから。 みょんはもう一人ではないのだ。 「ゆっくりーっ!」 「ちーんぽ!」 互いに誓いの言葉を交す。 これからも共に戦い続けると。 あのお姉さんにはなんとなく逆らえないのならば、もう覚悟を決めるしかないのだ。 「みょーん、あーりす。お風呂に入りたいのね。直ぐに準備するから待っててね」 台所に置いた洗面器の中に、熱々の熱湯が注がれていく。 あそこにみょんとありすは放り込まれるらしい。 「ゆっ、おおおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!?」 「ちちちち、んぽおおおおおおおおおおおおおっ゛!?」 恐怖に震えて立ちすくむ二人の兵士。 体を動かさず声を上げないゆっくり達に、お姉さんから声が掛けられる。 そう、ありす達を切なくさせるあの言葉を。 ありすとみょんは湯気がアホみたいに立ち昇る熱湯風呂の中へと果敢に飛び込んでいく。 直後、勇敢な兵士の甲高い悲鳴が部屋中に響いた。 ・意思疎通のお話 通じ合えたのはみょんとありすだけ ・お姉さんは虐待してるという意思とゆっくりの訴えを理解できる能力はありません 無意識にゆっくり達が逆らえなくなる様な雰囲気を作り出す才能があります 自分はとても良い飼い主だと自画自賛しながらありす達の世話をしています ※みっつめ『 連鎖ばくあん 』 天井にカメラが取り付けられた白壁の室内。 その部屋の中心でれいむとまりさが怯えていた。 れいむの頭から伸びる茎には、数体の赤ゆが垂れ下がっている。 「ゆ~ん…」 「ゆゆ~ん……」 れいむとまりさは頬を合わせて体を擦り合わせる。 少しでもゆっくり気分を味わうために。 れいむ達の体の後ろにあるのは重厚な箱状の機械。 "ヴゥーン!"という低い駆動音を上げながら青いランプを点灯させていた。 白い部屋の隅は黒い餡子で汚れている。 その上には小さな帽子とリボンが無数に散らばっていた。 「ゆ!? あかちゃんうまれるよっ!」 「ゆゆゆっ!? ゆっくりうまれてねっ!」 れいむから生えた茎から赤ゆが地面へと産まれ落ちていく。 定番のご挨拶を済ましてから緑色の茎を齧り出す赤ゆ達。 「ゆぴぇぴぇっ!? こりぇにぎゃいよっ゛!」 「まじゅいいいっ゛!?」 「じぇんじぇんゆっくちできにゃいよっ゛!?」 「ちあわちぇ~ちたいにょにいいいっ゛!?」 口々にそう言いながら別のご飯を要求する赤ゆ達。 「ゆ~ん……これしかないいんだよ。がまんしてたべてねっ!」 れいむはそう諭すが赤ゆ達は泣きながら拒絶する。 「ゆゆっ!? にゃにかあみゃあみゃのにおいがしゅるよっ!」 泣いていた一体の赤ゆが匂いに気付き白い床を移動していく。 「だめだよっ? そっちはだめだよっ゛!? あかちゃんたちもどってきてねっ!?」 「ぴゅ~ん、だっ!! きゃわゆいれぇいむをゆっくちしゃしぇてきゅれない、 くじゅおやのいうきょとはききゃにゃいよっ!!」 他の赤ゆ達も小さく頷き、甘い匂いがしてくる部屋の隅へ向かっていく。 親れいむは泣き喚くだけ。 親まりさも動く事が出来ない。 下手に近づくと巻き込まれてしまうからと。 言葉で止まらなかった赤ゆ達は、念願の甘い餡子にたどり着く。 赤ゆは目をキラキラさせた後、餡子を食べる為に大きくお口を開けた。 その時、親達の後ろで光っていた青いランプが赤く変わる。 色が変わった瞬間に、赤ゆ達の体は内側から弾けとんだ。 『『 うわああああああああああああああああああっ!!!?? 』』 一体残らず砕けた赤ゆの親達は涙を流しながら絶叫した。 「ぼうやだっ!? れいぶぼうあがじゃんうびだぐないよおおおっ゛!!」 「だべだよれいぶぅっ゛!? まりざだじが、ばくっはつっ! ざぜられじゃうよおおおっ゛!!」 "子供を作らなければ爆発するのはお前達だ" と、言われていたれいむ達は脅しに屈するしかなかった。 だが、そんな泣き喚くれいむの餡子脳に閃めく一つの名案。 もみあげを前後に振りながら満面の笑顔で叫んだ。 「ゆゆ!? そうだよ! じょうぶなあかちゃんをうめばいいんだよっ!」 「ゆゆゆっ!? れいむはてんさいだねっ! とってもゆっくりできるよ!!」 爆発に耐えられる丈夫な赤ちゃんを作る為、 "胎生にんっしんっ!"を、選択したれいむ達。 れいむ達は浮かんだ名案に安心して、久しぶりの充実した"すっきりー!"を堪能した。 「ゆぎぎぎぎぎぎっ!?」 「がんばって!? れいむがんばってねっ!」 月日はあっという間に流れて出産の日を迎えた。 れいむは腹に力を入れて、丈夫な赤ゆを捻り出す。 「うばれるよっ!? れいむのかわいいあか……ゆおっふっ!? (スポーン!) 」 「ゆわあ~っ!? まりさにのあかちゃん、とってもゆっくりしているよおおおっ゛!!」 空に打ち出されて飛んでいく赤まりさ。 それを見ながらゆっくりしている親まりさ。 そして、部屋の隅まで飛んでいった赤まりさは、空中で黒い霧を上げながら爆散した。 『『 ええええええええええええっ゛!? 』』 苦労して胎内で育てた赤ちゃんがゆっくりしてしまう。 その言いようのない喪失感を、れいむはモロに受けていた。 でも、悲しみの最中にも産道が痛んで開き始める。 次の赤ゆが少しずつ顔を出して今にも飛び出しそうだ。 「まじざあああっ!? つぎのあがぢゃんがででくるよっ!!」 「れいぶっだいじょうぶだよ! まりさがゆっくりうけとめるよおおおっ゛!!」 まりさも最初の赤ゆがはじけ飛んで辛い気持ちはれいむと同じだった。 ずっと今まで丈夫な赤ゆが誕生するのを楽しみに待っていたのだから。 『何が何でも受け止めてやる!』の思いを胸に、 まりさはれいむの前で仁王立ちをして赤ゆの射出を待つ。 「うばでゆふふうううっ゛!?」 「ゆおおおおおおっ!! ぶふぉっ゛!? げぶううううううっ゛!!」 弾丸の様な赤ゆの衝撃を体に受けてまりさが吹っ飛ぶ。 赤ゆはまりさの体内までめり込んでいた。 「あがあああっ!? ゆがああああああああああっ゛!!」 異物が体内を暴れる激痛に悶絶する親まりさ。 赤ゆの体はぶつかった衝撃で半壊の状態だった。 親に懸命に助けを求める行動が親まりさを苦しめる。 「まじざあああっ!? だれがまじざをだずげでええええええっ゛!!」 "ゆがゆが!"と、苦しむまりさを見たれいむは周囲に助けを求めた。 その時、斜め上方に向けていた産道の出口がまりさに向けられてしまう。 体を倒した事による圧が腹にかかり、三体目の赤ゆがムリムリと顔を出す。 「ゆっくちうみゃれぇりゅよっ!」 赤ゆの口から声が漏れた。 もう直ぐ産まれる発射の合図。 その照準は苦しむまりさにロックオン。 「あ…ゆあ……」 お腹がキリキリと痛みながら広がっていく。 でも、このまま赤ちゃん産まれたら…どうなるの? 目の前にはまりさがいるんだよ。 だから、だから……、 「あがぢゃんうばれじゃだべえええええええええっ゛!! ゆぐぅああああっ! ままのいうことがわからないのっ!? ゆっくりできないあがぢゃんはつぶれろおおおおおおっ゛!!! 」 れいむは赤ゆに圧力をかけて潰そうと試みる。 しかし、全てが遅すぎた。 潰れずに産まれた赤ゆが弾丸となってまりさの元へ飛んでいく。 弾丸が激突したまりさの体はくの字に折れ曲がり、そのまま部屋の端へと転がっていった。 「…あ……まじざ…?」 警告の赤いランプが点灯し、まりさの体から火花が漏れる。 れいむの瞳が、まりさが爆発する瞬間を、スローモーションでとらえた。 内部にめりこんだ赤ゆから稲光の様な閃光が空中に二つ走った後、 まりさの両目と口、あにゃるなどの穴という穴から、外部に向かって光が直線に放射された。 その後外皮が盛り上がり、まりさの体は弾ける様に、バラバラに砕けちった。 赤ゆとは比較にならない強力な爆風と灼熱がれいむを襲う。 「うっ…うわああああああああああああっ゛!?」 産道から餡子をボタボタと床に漏らした部分に飛んできた火種が降り注ぐ。 その後バチバチと激しく火花が飛び散ちり、れいむの体が"カッ!!"と、光り出す。 結局、れいむはまりさに駆け寄る事も出来ず、そのまま大爆発した。 部屋に火薬の匂いが立ち込める。 れいむが爆発した後、機械は役目を終えたかのように、 駆動音が小さく消えていき、機械のランプは無色になった。 ・ゆっくりが爆発するお話 緑色の茎は導火線として使えます ・土木用発破代わりを目指しての研究開発 機械の有効範囲を外れたゆっくり達の特殊な構造を持つ自前の改造餡子が容赦なく爆発 親の改造餡子を継承して出来る赤ゆも爆弾になる設定です ※よっつめ『 まりしゃしゃまのゆっくちぷりぇいちゅ 』 「みゅーちゃみゅーちゃ! ちあわちぇーっ!!」 美味しそうにご飯を頬張り幸せを表現している一体の赤まりさ。 「おいちーよ! さしゅが、まりしゃしゃまにょごひょはんしゃんなんだじぇっ!!」 赤まりさ専用の食器に盛られているご飯は、実際にかなり美味しい部類に入る。 フードランクとしては上級クラス。 飼いゆに与えるのは躊躇う位の値札が商品側面に付いていた。 それを遠慮なく食べる赤まりさ。 口元に食べカスを付けながらご飯を味わい続ける。 "ドンッ!" 「ゆっ? みゅぐみゅぐ」 租借しながら辺りを見渡す赤まりさ。 暫くキョロキョロ周囲を見渡した後、気のせいだったと食事を再開する。 "ドンドンドンッ!!" 「ゆ!?」 激しい打撃音。 反射的に音のした方向に振り返る赤まりさ。 「むしするなんてゆっくりできないよっ!」 「かわいいれいむをむしするなんて、いったいなにさまなのっ!?」 「ばきゃなまりしゃなんだね! げりゃげりゃげりゃっ!!!」 そこには窓のガラスにベッタリと張り付く野良家族が居た。 窓ガラスをバシバシと叩き続ける親まりさ。 激しく不快な騒音が室内に響く。 「ゆ~? ゆうぅ……」 その音に怯えている赤まりさ。 後ずさりながら恐怖に怯えた表情をしていた。 「ゆぷぷぷ! まりさのかんろくにびっくりしてるよ!!」 「かわいいれいむはやさしいから、ゆっくりあんしんしてもいいよっ!」 「まりしゃはくじゅにゃんだね! ばーきゃばーきゃ!!」 「たべてるごはんさんをちょうだいね! たくさんでいいよっ!!」 「あたたかいおへやにいれてねっ! ここはれいむたちのゆっくりぷれいすにするよっ!!」 「りぇいみゅたちに、ゆきゅちかんしゃしちぇねっ!」 怯える赤まりさを見て調子に乗り出した野良まりさ家族。 ガラスを煩く叩きながら思うがままの欲望を口にする。 「ゆーっ。ゆうううっ゛!!」 ご飯が入っている食器を動かす事は無理だと判断した為、 赤まりさは小さいお口にご飯をいっぱい詰め込んで家族の近くへと足を運ぶ。 「そうだよ! すなおにしたがってねっ!! おまえはみどころがあるよ!!」 「れいむのどれいさんにしてあげるよ! ゆっくりかんしゃしてねっ!」 「あちょで、れぇいみゅのおちりしゃんを、ぺーりょぺーりょしてきりぇいにしてにぇっ!!」 散々喚いた後、美味しいご飯を食べられる期待に胸を弾ませ、 『 わーくわーく!! 』と、微笑む野良家族。 「ゆぺえっ!」 赤まりさは家族の前に含んでいたご飯を吐き出す。 床に敷かれた絨毯の上に小さな山が出来た。 「ゆっくりたべるよっ! はやくここをあけてねっ!? 「これだけじゃたりないよっ!? ゆっくりせずにもっともってきてねっ!!」 「あにょあみゃあみゃは、きゃわいいりぇいみゅがたべりゅよっ!」 美味しそうなご飯を見てまりさ親子はヒートアップ。 窓ガラスを一層激しく揺らしながら暴れだす。 「あれはまりさがたべるんだよっ!?」 「れいむのあまあまさんなんだよっ! ばかなのっ! しぬのっ!?」 「くじゅおやはゆっくちじぇきにゃいよっ! ぴゅんぴゅん!!」 興奮しすぎて不毛な争いを始めるまりさ達。 取っ組みあいの喧嘩に発展する直前、 野良ゆっくり家族は信じられない光景を目撃した。 「みゅーちゃみゅーちゃ! ちあわちぇえええええええええっ!!」 暴れる野良家族のガラス向こう側では、赤まりさが自分で運んできたご飯を美味しそうに頬張るその姿。 それを視界に入れた野良家族は争いを忘れ、呆気とられたアホみたいな顔で赤まりさを見ていた。 「ゆ~んっ!! みゅふふ~んっ!! おきゅちのにゃかじぇ、ゆっくちとちょろけるあみゃあみゃが、ちゃまりゃないんだじぇ~っ!!」 「……!」 「……!?」 「……!!!?? 」 野良まりさ親子は、赤まりさの感想を聞きながら、涎をダラダラと垂らし放心状態。 「…はっ!? それはまりさのあまあまでしょおおおおおおおっ゛!?」 家族の中で一番早く我に帰った親まりさが吼える。 「れいむのあまあまたべるなんて、げすのすることなんだよおおおっ゛!?」 「ちにねぇえええっ! りぇいみゅのあみゃあみゃちゃべる、くじゅまりちゃはちにぇえええっ゛!!」 それに続いてれいむと赤れいむも声を上げた。 汚れた丸い体を窓ガラスに押し付け、 赤まりさの足元に残ったご飯を何とか食べようとしている。 「ぺりょ~ん! ぎょっくん!」 『『 うわああああああっ゛!? あまあまがああああああああっ゛!! 』』 残らず平らげた赤まりさは食べカスが付いた口元を自慢のお舌で猫の様に舐め上げる。 当然、まりさ達は大暴れだ。 「げすにはゆっくりせいさいしてやるよおおおおおおっ!!」 「あげろおおおっ! ここをあげろおおおおおおっ゛!?」 「ちゅぶちてやるよおおおっ゛! れぇいみゅはちゅよいんだよっ!!」 窓ガラスをぶち破って中に侵入しようとしているまりさ達。 それを見た赤まりさは微笑を浮かべる。 その後、目を瞑り口元を歪ませながら大声を上げた。 「ゆぇえええええええええんっ! きょわいよおおおおおおっ!!」 部屋の扉を開けてお兄さんが赤まりさの元に駆けつけた。 泣き喚く赤まりさ。 窓ガラスの向こう側には汚い野良家族。 駆けつけてきたお兄さんは状況を赤まりさに尋ねている。 「あにょねっ! まりしゃがあみゃあみゃしゃんをたべちぇたりゃにぇっ!! "じゅるじゅるりっ!! うましょうなまりしゃだじぇっ! りぇいみゅたちのみょにょになれっ!!" しょういいにゃがら、きゃわゆいまりしゃを、いやらちいひちょみでみちぇいちゃにょっ!!」 泣きながらお兄さんの胸に飛び込んでいく赤まりさ。 青くなっていくまりさ家族。 「いいがかりはゆっくりやめてねっ!?」 「そうだよっ! れいむたちはむじつだよっ!?」 「うちょちゅきはゆっくちちんでねっ!!」 慌てて弁解するまりさ達だったが、そんな事をしている状況では無い。 直ぐにそこから逃げるべきだった。 しかし、目の前で"自分"のご飯を食われた悔しさと、言われようの無い罪を晴らしたい気持ち。 それが野良家族の今後を最悪な方向へと導く。 「やめてねっ! やめてっ!! やめろおおおおおおおおおっ゛!?」 「うわあああっ!? かしこくてかわいいさいごのあかちゃんがあああああああああっ゛!!」 あっという間にお兄さんに捕まったまりさ家族。 最初は家に入れたと喜んでいたが、まりさとれいむは直ぐに絶望を味わった。 お兄さんに赤れいむをあっさり握り潰されたのだ。 まりさとれいむはお兄さんに握られた残骸に向かって声を張り上げる。 しかし、赤れいむはもうずっとゆっくりしていた。 答える声が発せられる可能性は無い。 「じねぇえええっ゛!! あがじゃんごろじは……ゆゆゆっ! れいむうっ!?」 「じねぇえええっ゛!! ゆ……ゆゆゆっ!? おそらをとんでるみたいっ!!」 深めのダンボールに入ったまりさが困惑していた。 一緒に文句を言っていたツガイのれいむが飛んでいったのだ。 「れいむとんでるよっ! おそらはゆっくりできるよっ!」 「なんでれいぶはゆっくりしでるのっ!? そんなごどいわだいでねっ゛!!」 「れいむはかわいいからおーるおっけーなんだよっ! あかちゃんはまたうむからもんだいないよっ!」 「ゆゆゆっ!? れいむはまりさをうらぎるのっ!」 「れいむはおにいさんにみそめられたんだねっ! れいむはかわいくてごめんねっ!」 「うがああああああっ゛!? まりさをうらぎるげすれいぶはじねええええええっ゛!!」 可愛い可愛いと強調するれいむにまりさが吼える。 れいむはお空を揺れながらまりさを見下していた。 これから幸運なゆん生が訪れると信じて。 「ゆんゆ~♪ ……ぶぼおっ!?」 しかし、訪れたのは体がバラバラに砕けたかの様な激痛の嵐。 先程までまりさをお空から見下ろしていたれいむ。 今は地面に体を伏せながらまりさを下から見上げている。 「…ま、まじざあっ゛……れいぶをだずげでねぇっ……」 口から悲痛な声を漏らしながらまりさに助けを求めるれいむ。 「じねっ! げすなれいぶはゆっぐりじねええええええっ゛!?」 「ゆぶっ!? やべでねっ! れいぶづぶれじゃうよっ!? げぶううううううっ゛!」 怒りの形相をしながらツガイのれいむを踏み潰していくまりさ。 れいむは息も絶え絶えに"やめて!"と、叫び続ける。 れいむの口から大きな塊が飛び出した。 吐き出される度にれいむの声が小さくなっていく。 まりさのお尻に敷かれたれいむは、肌色の体を真っ黒に変えてずっとゆっくりした。 「これはせいさいなんだよっ! まりさは……ただしいことをしたんだぜっ!」 息荒く言い訳の様な言葉を叫ぶまりさ。 その顔は笑顔だ。 ゲスを制裁した正義のゆっくりだと、まりさは自分を評価していた。 「ゆへへへっ! まりさはつよいんだよっ!」 まりさは笑いながられいむの残骸を踏み続ける。 自分はこんなに最強だ誇示するように。 自分を裏切ったれいむは許さないと言うように。 笑顔で涙を大量に流しながら踏み続けていた。 そんなまりさに金属の棒が勢いよく振り下ろされた後、 まりさの視界は一瞬のうちに漆黒に染まり、そのまま二度と目を開ける事は無かった。 金属バットの先からボタボタと餡子が落ちる。 お兄さんの前にはダンボールに入った潰れた野良まりさ家族。 「きょわきゃったよ~っ! おにいしゃ~ん!」 お兄さんの足元に赤まりさが擦り寄る。 体をブルブルと震わし涙を流していた。 その赤まりさに優しく声をかけたお兄さん。 そして、赤まりさはお兄さんに、 このゲスの片付けをするから向こうに移動して欲しいと懇願される。 赤まりさは違う部屋へと移動し、柔らかな毛布の中に体を沈めた。 「ゆっふっふっ! ちょろいおにいしゃんなんだじぇっ!」 毛布の中で赤まりさが呟く。 「あにょおにいしゃんは、まりちゃのひきちゃてやきゅにぴっちゃりだよっ!」 目を瞑りながらお兄さんの評価を口にしている赤まりさ。 その後もグダグダと悪口を言い続け、そのまま眠りについた。 幸せな赤まりさの寝顔。 ここはお兄さんという召使い付きのゆっくりプレイス。 これからもこの生活が続くと赤まりさは思っていた。 先程の部屋に不快な音が響き渡る お兄さんは、潰れた野良まりさ家族の残骸に指を突き入れて、何かを穿り出している。 黒く光る塊を眺めた後、お兄さんはビンの中にその小玉を落とした。 順調に育っていく赤まりさ。 赤ちゃん言葉が抜け、赤まりさの体は子まりさの大きさを超えていた。 成体になる日はそう遠くは無い。 「ゆゆゆっ! こんなやすものは、まりささまのおくちにあわないんだぜっ!? ゆっくりせずにあたらしいのをよういしろおおおっ!!」 まりさは専用の食器をひっくり返しながら怒鳴る。 我侭し放題で育ったまりさはゲスの極みにあった。 「ゆん? なにかもんくでもあるの? まりささまをゆっくりさせることが、むのうなおまえのやくめでしょ!? それができないなら、おまえはどれいいかだね! ゆっくりそのばでどげざしてね!!」 口端を吊り上げるまりさ。 その後、散らばったご飯に目掛け、口から吐き出した唾の塊を飛ばす。 ネットリとした唾液が安くは無い半生フードに絡みつく。 しかし、お兄さんは怒る事はしなかった。 何故かカレンダーの方だけを見続けている。 「まりささまをむしするのは、じゅうっざいっ! なんだよっ!? おまえのはんけつはしけいっ! しけいがいやならあまあまもってこいっ!! さんびょういないにもってきてね!! いーちっにーいっ! ……おそおおおいっ゛!? さっさとうごけえええええええええっ゛!!! 」 無視を続けるお兄さんにまりさがキレた。 酷いゲス口調でお兄さんをなじる。 「……今日が最終日か。やっぱりゆっくりの成長は早いよなー」 一言呟いたお兄さんはまりさを掴む。 何時もの様に両手で包む持ち方はせずに、片手で鷲掴みをしてまりさを浮かす。 「ゆゆゆ!? おそらはとんでるみたいっ?」 まりさは困惑しながらお空を飛んでいく。 そのまますり鉢の中へと入れられたまりさ。 すり鉢の内側にある無数の溝がまりさの体に触れる。 まりさは体を走るムズムズとした感覚に、『ゆゆゆ!』と声を漏らしながら震えた。 「まりさ。これは何でしょう?」 震えるまりさにお兄さんの声が掛かる。 左手にはビンが握られていた。 その中には黒い粒が入っている。 「ゆゆゆ? あまあまさんだねっ!? はやくよこせええええええっ!」 「はい正解でーす。沢山あげるね」 お兄さんは楽しそうにコルク栓を摘みながら声を上げた。 「これはね。今までのゲスから取り出した中枢餡だよ。 まりさは覚えているだろ? 家に侵入してきたゲスや玄関に訪問してきたゲス達を。 ああ。そういえば、"生き別れのおチビちゃんにゆっくり会えたよっ!!" とかほざいたアホ一家もいたっけな。あれは流石に声を出して笑ってしまった」 "クククッ"と、思い出し笑いをするお兄さん。 開封の為に引っ張っていたコルク栓が音を立ててビンから外れた。 腐敗臭を交えた甘い香りが周辺に広がる。 「俺が近所の公園から連れて来た、お前のお母さん代わりのゲスれいむ。 お前のお友達だと言って買い与えた、安売りのんっほーありす。 お嫁さん候補として貰って来た、数字も理解出来ない馬鹿ぱちゅりー」 すり鉢の中に腐った匂いがする中枢餡がボトボトと入れられる。 まりさは鼻が曲がるような悪臭に悶絶した。 「全部お前は拒絶したろ? でも予定通りなんだよねー。 ゲスはゲスに惹かれる事はないんだ。 与えた奴は全部ゲスだったから、お前が受け入れる可能性は限りなく低い。 そして、当然邪魔に感じるわけだ。 同属嫌悪にも似た感情で異物を排除しようとする。 その度にお前は偽りの怪我で泣き、言われもしなかった蔑みの声を俺に報告してきたよな?」 お兄さんはすりこぎを手に持って、 まりさの隣に転がっていた中枢餡を一つ潰す。 「その度にお前、……まりさを優先的に贔屓した。 相手の言葉など聞かず潰し続けた。 嘘泣きしながら優越感に浸っていたまりさに俺が気付かないとでも思ったのか? 哀れだな。まりさ。本当に哀れだ」 二つ目の中枢餡を潰す。 飛び散った餡子がまりさの頬に付着した。 「これらは、そんな哀れでゆっくり出来ないまりさが無実の罪で殺してきたゲス達の中枢餡。 嘘をついたまりさを呪い、無実の罪を叫び続けたにも関わらず、俺に潰される悔しさ。 その際の、"もっとゆっくりしたかった"の未練が極限まで詰まった怨念の塊。」 三つ目の中枢餡を潰した時、 弾けた大き目の欠片がまりさの口の中へと飛び込んだ。 まりさは苦しそうに咳き込む。 「食べちゃったのか? 怨念の塊を。 聞こえるだろ? "苦しいよっ!" 助けてよっ!" ゆっくりさせてよっ!" ……」 涙目で眼球を世話しなく泳がせるまりさ。 周囲の黒い塊に完全に怯えていた。 「"まりさ! お前だけは絶対許さないよっ!!" ……って」 「ゆわああああああああああああああああああああああああっ゛!!!?? 」 すり鉢の中で暴れるまりさ。 這い出そうとするが、お兄さんに邪魔されて向け出す事が出来ない。 「だじでえええっ゛!! おでがいだがらごごがらだじでえええええええっ゛!?」 すり鉢に入っていた中枢餡の粒がまりさに潰され、 粘る糸を引きながらまりさの体に纏わり付いていく。 体に絡む細い糸は怨念の一種だとまりさは考えていた。 絡みつくネバネバは動いても切れることは無く、更に粘りを増して全身にまとわりつく。 すり鉢の中で恐怖に怯えるまりさ。 しかし、それはお兄さんが仕込んだ納豆の粘り、悪臭の原因は別の食品の腐敗臭だった。 中枢餡に混じったお兄さんの様々な嘘。 まりさはそんなカラクリがあるとは知る訳も無く、 すり鉢の中で叫びながら助けを求めていた。 お兄さんはすりこぎでまりさの体をグルグルと回転させる。 「ゆぼぇええええええっ゛!? ぐざいよおおおっ゛! ぼうやだあああああああああっ゛!!」 潰したりはしない。 満遍なく怨念を体中にまぶしていく。 白かった歯も、お歯黒を塗ったかのように真っ黒だ。 まりさの大切なお帽子は元々黒いが、 とてもゆっくりなどは出来ない異臭がこびり付いてしまった。 悪臭と恐怖で気が遠くなっていくまりさ。 「ゆっ!? ゆゆゆゆゆゆっ゛!」 お兄さんはすり鉢の中にジュースを入れた。 砂糖をたっぷり含んだ炭酸水だ。 「ゆゆゆっ! からだがぴりぴりするよっ! ゆっくりできないいいいいいいいいいいいいっ゛!?」 まりさの体の半分まで炭酸水が注がれた。 炭酸の刺激を受けて気を失う事が出来ない。 常時、強制的な覚醒を強いられていた。 「やだよっ! もうやだあああっ!! ゆっぐりじだいよおおおっ!? ごはんざんをむーじゃむーじゃじだいっ! べっとざんでずーやずーやじだいいいっ゛!! ごべんなざいっ!! まりざあやばりまずがらゆるじでぐだざいいいいいいっ゛!!!?? 」 必死でまりさは助けと許しをお兄さんに願う。 これからは絶対良い子になるのだと反省しながら。 足がふやけて体が黒く染まってきたまりさ。 もう前の綺麗だった面影は無くなっていた。 「お前はもう用済みなんだよね。新しいの買うからゆっくりせずに苦しんでね」 まりさに与えられたのは冷たい言葉。 絶望を言葉にしようとしたまりさは大きな口を開ける。 そのタイミングでお兄さんは手に持ったビンを逆さまにし、 内容物をまりさへと大量に投下した。 「まだまだあるぞ? お前はこんなにいっぱいのゲスを陥れたんだ! 怨念をじっくり味わってね!!」 声を上げようとしたまりさの口の中に、今度こそ直に怨念が飛び込んだ。 まりさはゆっくり出来ない味覚と、無実の罪で始末してきたゲス達の顔が思い浮かぶ感覚を同時に味わう。 その場で自分の中身を噴水の様に噴出した。 それでも、豊富な栄養を摂取する生活をしてきた丈夫なまりさは、死ぬ事が出来ない。 それに加えて炭酸の刺激に中枢餡が溶け出した糖分。 先程吐いた中身もまりさの体に時間をかけて還元されていく。 「うぐぅぶぇえええあああああああああああああああああっ゛!?」 周囲を漂う黒い怨念に怯えながら、 出口の無い地獄の苦しみをまりさは味わい続ける。 …それから三日経ってもまだまりさはすり鉢の中で蠢いていた。 相変わらず、すり鉢の内部はとても臭い。 異臭もゆっくり達の絶命要素にはなるのだが、 お兄さんが定期的に補給していく栄養が死にたいまりさの邪魔をする。 「ゆ…あああああっ! ああああああああああっ゛!?」 体中の外皮はとろけてベロベロに捲れている。 口を閉める役割を持った皮の部分は大きく剥がれた。 目の周辺の皮も無く、瞳を瞑る事も出来ない。 新しく注がれた元気の良い炭酸の粒が餡子剥き出しになった敏感な部分に刺激を与える。 まりさのぼやけた頭の中を覚醒へと導く。 「ゆびゅばびゅぶぼっ゛!? ゆぼっあっ゛ぼおおおおおおおおおっ゛!!! 」 新鮮な激痛を受けてまりさは大きく絶叫した。 「まだまだイケるな……」 そう呟いたお兄さんは止めを刺さず、 すり鉢の底にフィットしているまりさを眺めていた。 数日たったある日の午後。 まりさ専用と書かれた餌皿でご飯を食べる赤まりさ。 汚らしく食べた後、部屋を小さく探索してから大声を上げた。 「ゆっくち! ゆっくち! きょきょはまりしゃのゆっくちぷれいちゅにちゅるよっ!!」 お家に来てから歴代最短記録でのプレイス宣言。 お兄さんはこの赤まりさに素晴らしいゲスの素質があると喜びながら、 甘くて美味しいショートケーキを赤まりさに与えた。 本日から最低なゲス赤まりさ育成を主にした、 "期間限定"のゆっくりプレイス生活がまた始まる。 ・ゲス同士は互いに合い入れないという設定のお話 逆設定もカオスになりそう ・無実のゲス なにか心にしこりが残る表現 ・「駄目だよ?」に続く子ネタ集第二弾 前回の小ネタ集は複数の小話を一本の長編にしてみたのですが 所々中途半端に謎が残ってしまいまさにこれは駄目だよ状態 ・今回は六本位の小話を一本に統合せずに無理なく調整 結果最後のお話だけ異様にネタが集中して長くなりました 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、4点 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る >「いったらあああああああああああっ!? とかいはないきざまみとけやああああああっ゛!!」 このありす、最高すぎる! -- 2012-09-19 18 59 08 自分はいい飼い主だと思ってる飼い主の女の話にはリアルな不快感が残って嫌だ -- 2012-08-03 13 37 29 このありすとみょん最高だ。強く生きろ! -- 2011-01-05 23 53 42 ありすの健気さに惚れた -- 2010-11-15 06 56 40 初めのTV番組にワロタww こんなの放送したら苦情殺到しそうだよなぁ -- 2010-10-17 22 32 53 みょんとありすが幸せになれるといいんだが、無理だろうな。まりさ死ね。 -- 2010-08-07 23 03 52
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1018.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 480 採用通知?/コメントログ」 「おざうさま・いもうとさま優遇はゆっくりできますわ!!」とウチのさくやが申しておりますので、れみ・ふら虐待は無しでおねがいします。 -- 2010-07-09 13 10 43 お前の家にさくやはいないから安心しろ。 -- 2010-09-15 01 47 55 ゆっくりできたよ!! -- 2010-09-23 01 57 25 ↓↓↓どういせざるをえないんだぜ! れみりゃふらんいじめはゆっくりできないのぜ! やるんならまりささまをじごくにつきおとしてほしいのぜ!! -- 2010-11-12 06 30 46 れみふら虐め… 私は一向にかまわん! 少ないし面白いからむしろもっと増えてほしい。 そしてお前の家にさくやはいないから安心しろ。 -- 2011-01-12 22 21 26 細かいことだが お客様(読者)を L田「くん」 なんて呼ばないだろ L田「さん」 だろ -- 2011-06-30 01 59 13 ふらんをいじめるのはちょっとなぁ… -- 2011-10-05 20 12 53
https://w.atwiki.jp/kobetakigawa/pages/202.html
770 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 13 28 44 O 比●と同中で卒アルの写真貼って欲しいって頼まれたんだが需要あるか? 772 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 13 45 43 P 770 そりゃぁ、需要はすげーある 773 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 13 52 54 0 770 見たい 774 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 13 57 54 O ttp //b.pic.to/ih3pf ↑これ。 ちなみにまとめを見たんだけど、中学は広陵中のはずなんだけど…情報ミスか? 775 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 13 58 21 0 770 おまいが安全ならお願いしたい 写真も見たいが、卒業文集はもっとみたい どんなやつだったのか評判も聞きたい 776 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 13 59 03 0 PCからみれねぇぇぇぇぇ 777 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 01 26 P 774 PCから・・・ そうAの情報捜査 778 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 02 27 P 情報捜査 × 情報操作 ○ 779 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 03 30 0 776 設定ミスすまん。 正直事件の被害者(←加害者の誤りか)だと聞いてやっぱりかって思うような奴だった。 一回だけ生徒会長もしていたが変わり者で評判はよくなかった(特に親から) 780 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 04 57 0 779 サンクス ってかいままでHだと思ってた奴と別人だーーーーーー 781 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 05 20 P 779 乙ですー 782 名前: 少年法により名無し [sage] 投稿日: 2007/10/29(月) 14 08 10 0 774 素直そうな顔してるのに 783 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 09 02 0 780高校入ってかなりチャラくなったって聞いてるから・・・別人に見えても仕方ないと思う 784 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 09 53 0 774 おつ 思ったよりまじめそうな顔だ 785 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 11 06 0 779 kwsk wktk 786 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 12 30 0 驚いた。これは鳥の巣頭でいつも前列の奴じゃん。 じゃあ、あの陰気そうなやぶにらみは誰なんだwww 787 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 14 08 0 Hは沖縄顔ってのはガセ? 沖縄顔にみえないお 789 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 14 42 0 比嘉は見た目は真面目そうだったが、中身は正反対で何でもノリで生きているような奴だった。 授業中は騒ぎ放題なのに成績は上の上。親からはあまりいいようには思われない性格だった。 後、いじめとまではいかないが嫌がらせ的なことをしていた。 791 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/10/29(月) 14 19 05 0 774 どうもありがとう 違う人物を比嘉だと思っていたので感謝します。
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1793.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 857 レイプあれこれ/コメントログ」 でいぶはいやだがさすがにこれは他がゲスすぎるだろ -- 2010-04-07 17 52 09 ぜんぶ醜悪だからまとめて駆除しようぜ -- 2010-07-12 19 12 22 なんだただのれいむいじめか ゲスが可愛がられて被害者が虐待されるっていうのがなんとも言えん、醜い -- 2010-07-12 20 07 41 れいむだから仕方がない -- 2010-07-12 21 45 55 全部、駆除で。 -- 2010-07-14 12 35 20 れいむじゃ仕方ないな -- 2010-07-18 23 02 12 れいむなんてこれくらいしか価値ないね。 -- 2010-08-12 18 12 57 れいむとかwwwいらなすぎる存在ww -- 2011-02-14 05 20 38 これみたいに不自然なまでにちぇんを優遇するやつがいるからちぇんが大嫌い -- 2011-02-15 15 18 17 ↓気が合うね 俺も同じ理由で希少種が大嫌いだ -- 2011-02-15 15 21 50 このコメ欄はまりさたちの巣なのかー -- 2011-07-11 13 53 40 めっちゃおもしろかったww こういう狡猾なゲスは好きだな ただしれいむ!てめーは死刑だぁ!! -- 2011-11-06 12 19 44 すっきりー奴隷のやつも見て見たい♪ -- 2013-12-31 11 07 13 ゲスれいむは嫌だが、優秀で賢いれいむならok。 てか、ここの群れ…ゲス多すぎ。 虐待お兄さんでも呼ぼうか?ゲス群れ共。それと家のれいむとまりさとようむとふらんとこころに近寄るなゲス群れ共。あっ!そうだ!ここに虐待お兄さんが居るんだよね~クスクス!さぁ!虐待お兄さんよ、奴等を虐待してもいい、飼ってもいい、虐殺しても敵わん! -- 2014-10-08 20 39 28 ちぇんが不幸になるべき -- 2016-04-25 20 23 28 なんだ、ただの日常か。 どんどんヤれwwそれが人間と自然界の為だ!(=ゆっくり同士で潰しあえ!) -- 2018-03-20 17 19 32
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/792.html
ショータイム 34KB 『ショータイム』 序、 「ゆっくりできないにんげんさんはどこかいってね!!」 バスケットボールぐらいのサイズの饅頭…通称ゆっくりの“れいむ種”が頬に空気をため目の前 に立つ人間に向かって叫んだ。その饅頭の後ろには、四匹ばかりの赤ちゃんゆっくり…赤れいむと 赤まりさがそれぞれ二匹ずつ、震える身を寄せ合って泣いていた。 「あぁ…お前は別にどうでもいいんだ。後ろのガキをよこしなよ」 人間の男は親れいむを踏みつけ、棒読みで言い放つ。大好きなお母さんを足蹴にされた悔しさか らか勇敢な赤まりさは、親れいむの後ろから飛び出すと、小さな体を限界まで膨らませて、 「ぷっきゅぅうう!!!やめちぇにぇっ!まりしゃたちのおかーしゃんにひじょいこちょちにゃい でにぇっ!!!!!」 「ちび…ちゃん…かくれでてぇ…ゆぶぶぶぶぶぶ」 男は親れいむが潰れない程度に足に力をかけ、赤まりさに向かって唾を吐きかけた。男の唾液が 赤まりさの柔らかな顔と素敵な帽子に降りかかる。 「ゆきゃっ…き…きちゃにゃいよぅ…っ!!」 「汚物の分際で何言ってやがる」 男は笑いながら、もう二度三度唾を吐きかけた。赤まりさはたったそれだけで先ほどの威勢はど こへやら。ぴーぴー泣き出して親れいむの後ろにまた隠れてしまった。赤れいむの一匹が赤まりさ の頬をぺーろぺーろしながら慰めている。 どうやら、親れいむは自分の身に何があったとしても、赤ゆたちを渡すつもりはないらしい。歯 を食いしばり、涙目ではあるが芯の一本通った力強い眼差しで男を睨みつけていた。踏まれて顔の 形がやや変化しているものの、そこには野生動物の意地を感じた。 ゆっくりにしては珍しいタイプだろう。大概は自分の命と引き換えに子供の命など簡単にくれて やるゲスが多いはずなのだが、この親れいむは違った。 「さすが野生ゆっくり…。まだまだ純情なんだな…」 男は言いながら親れいむの顔の両側を両手でつかみ、持ち上げる。震える赤ゆたちが露わになる。 親れいむの大きな体に寄り添っていた赤ゆたちは、ぽてぽてと倒れ込む。 「ゆっ!」「ゆぅ…」「ゅ」「ゆうっ!」 親れいむは男に掴まれながらも必死にお尻を振って振りほどこうとしている。しかし、頭を抑え られていては動くことなどできない。挟まれた両手の中で、前に出ようとしたり後ろに顔を引っ込 めようとしたり、あらゆる方法を取ってみたが男の手から抜け出すことは叶わなかった。 「ゆ…ゆっくり…ゆっくり…」 頭が混乱すると極端に語彙が減る。鳴き声のバリエーションが減る…とでも言えばいいだろうか。 男はサーカス団の団員だった。まだ新人である彼は自分の芸というものを確立できてなどいなか ったのだ。そんなある日、街の中で小学生くらいの子供たちがゆっくりの家族を潰して遊んでいる 姿を見かけた。そこには子供たちの幸せそうな笑顔があった。笑顔のヒントを得た男は、適当に野 良ゆを捕まえると、それをゆっくり踏みつけ、徐々に潰していった。 足の裏にゆっくりの髪の毛と柔らかい頭の感触が広がり…足を押し込むことで変形した頭の皮が 足を包み込む…。甘美なる悲鳴と絶叫を耳に感じながら、さらに足を押し込む。目玉が飛び出す瞬 間のびくんっ!と皮ごと跳ねる一瞬の感触もたまらない。そして裂けた皮の間から漏れ出すあんこ のぬっとりした感覚。 「ひゃ…ヒャッハアアアアア!!!!!!」 人目も憚らず男は咆哮を上げた。湧きあがる高揚感を抑えることはできない。顔が…自然にほこ ろんでくる。 男は動物に芸を仕込む代わりに、ゆっくりに芸を仕込もうと考えた。上手くいけば新しいジャン ルが確立でき、上手くいかなったとしたら潰して捨てればいい。替えの効かない動物を調教するよ りも遥かに効率がいい。死ねばまた拾ってくればいいだけの話なのだから。 そんなわけで男は自然の中に足を踏み入れ、ゆっくり回収に勤しんでいたのだ。野生のまりさが 巣穴の中に入ろうとした瞬間を狙って捕まえ、踏みつぶし、巣穴の中に投げ入れる。それだけで家 族はぴょんぴょん飛び跳ねて巣穴の外に出てきた。そこを一網打尽にする予定だったが…親れいむ の思わぬ抵抗に遭い、現在に至るわけである。 抵抗、と言っても頬を膨らませ赤ゆたちの壁になるくらいのものでしかなかったわけだが。その 壁も今は綺麗に取り払われ、守るべき小さく儚い命は風前の灯である。男に捕まるのは恐ろしくて たまらなかったが、大好きな親れいむを置いて逃げるのも辛い。どうしていいかわからない赤ゆた ちは互いの顔をきょろきょろ見合わせながら、 「ゆっ」「ゆゆっ?!」「ゆ゛っ…」「ゆぅ…!」 泣き続ける。 「だいぶ混乱してるな。“ゆ”としか言えてませんよ?おちびちゃん…?」 男が赤ゆたちを嘲笑する。自分の子供を笑われた親れいむは当然ゆっくりできない。親れいむは 男に向かって唾を吐きかけた。汚い饅頭のねちょねちょした唾液が男の服を垂れる。親れいむは口 をもごもごさせると、 「ゆっくり、ぺっ、するよっ!!ぺっ!ぺっ!!」 親れいむの勇敢な行動に感動したのか、赤れいむと赤まりさは男の足元に近寄ると、 「ぴぇっ、すりゅにぇっ!」「ぴぇっ!!!ぴぇっ!!!!」 「にんげんさん、れいむをゆっくりはなしてねっ!そうしないとまた、ぺっ、するよ?」 男は親れいむを離さない。親れいむはまたぷくーっと頬を膨らませ口をもごもごさせる。 「ぺっ!!ぺっ!!!んべぇっっっ????!!!!!!」 素早い動きで親れいむの髪の毛を左手で掴むと、勢いよく右の拳を叩きつけた。その際、衝撃で 餡子が押し込まれたのか、親れいむのあにゃるからうんうんが少しだけ飛び出る。 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 「お…おがああああじゃあああん!!!!」 「ゆっくちやめちぇにぇっ!!!!」 「おきゃーしゃんいちゃがっちぇりゅよっ!?」 殴る。 「ゆ゛げぇっ!!!」 殴る。 「ゆぼほぉっ…!!!」 まだ殴る。 「ぎびぃ!!!」 殴られた勢いで親れいむの汚い尻が力なく前後に揺れる。飛び出切らなかった親れいむのうんう んもあにゃるにくっついたまま、ぷらぷらしている。 「ゆ…ぐぢぃ………や…べ…でねぇ………」 親れいむの口から声が漏れる。赤ゆたちは恐ろしーしーを漏らしながら、大量の涙を流し続ける。 体中の水分が全部なくなるのではないかと思うほどだ。 「やめちぇえええ!おかーしゃんをいじめにゃいでぇぇ!!!」 赤まりさが叫ぶ。殴られた部分は腫れあがり、目を半分ほども覆っている。ぐしゃぐしゃのボロ 雑巾のようになった親れいむを草むらに放り投げる。餌に群がるピラニアのように集まる赤ゆたち。 「おきゃーしゃん!!おきゃーしゃああん!!!」 「ゆっくちしちぇにぇっ!!!ぺーりょ…ぺーりょ…」 「ゆっくちぃ!!!ゆっくちぃぃぃぃ!!!」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆん…」 親れいむにすがりつく四匹の赤ゆたちを一匹ずつ掴んでは袋の中に投げ入れる。 「ゆああああん!!!くりゃいよぅ!おきゃーしゃん!!たしゅけちぇぇえぇえ!!!」 「ゆぶっ!ここはゆっくちできにゃいょう!!!」 「おきゃーしゃん!どこぉ??!!!!」 「どおちちぇこんにゃことしゅりゅにょぉおお???!!!!」 袋の口を縛り、地面に置く。四つの盛り上がりがもそもそと動く。真っ暗な袋の中を必死に歩き 回っているのだろう。どこにもない出口を探して。 「さて…このクソ饅頭…」 「ゆぎっ!!い゛い゛ぃっ!!ゆべ!!!ゆびゅっ…」 男は親れいむの揉み上げを掴んで、何度も何度も草むらに叩きつけた。叩きつけるたびに、しー しーがぴゅっ、と噴き出たり餡子を吐いたり、うんうんが飛び散ったりする。やがて掴んでいた左 の揉み上げが引きちぎれた。 「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」 親れいむの赤ゆたちがこれまでに聞いたことのないような絶叫に、動きを止める。もそもそと声 のする方へ袋の中を移動し、 「おきゃーしゃん!おきゃーしゃん!!」 「ゆんやあああああああ!!!!」 「ゆっくちしちゃいよっ!!!もうやめちぇえぇぇぇ!!!」 「ゆびゃあああああああん!!!!!」 「かひゅっ…こひゅぅ…ゆ…ゆ゛…ゆ゛っ!!!」 鳴き声が徐々に濁っていく。死ぬ間際だ。赤ゆたちの入った袋を親れいむの傍まで持ってくる。 親れいむの死に際の声を聞かせてやろうという、男のせめてもの情けだった。 「ちび…ちゃん…だちぃ…ぞご…ぃ…いる゛…の?」 「おきゃーしゃん!!!れいみゅはここにいりゅよっ!!」 「まりしゃもだよっ!!」「れいみゅもっ!!!」「まりしゃだよっ!!!」 「ゆ…ぐぃ…じだ…ちび…ちゃ…じあわ゛…ぜ………にぃ…………ゆぐふっ…」 切れ切れの“最後の言葉”を最愛の子供たちに残し、絶命する親れいむ。中身が餡子のゆっく りたちにも、今、まさに最愛の母が死んだのだということが理解できた。袋越しに赤ゆたちの震 えが見て取れる。 「おきゃーしゃんともっちょ…いっちょに…」 「ゆっくちしちゃかっちゃよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 二匹の赤ゆの叫びを皮きりに大声で泣き出す赤ゆたち。そんな赤ゆたちを気にも留めず、男は 袋を持ち上げ肩に引っ掛ける。袋の中で四匹の赤ゆたちはごろごろと転がり、袋の底で止まった。 更に大きくなる泣き声。泣けばどうにかなる、と思っている根性が気に入らない。泣いても親れ いむは生き返らないのだ。泣いても袋からは出られないのだ。これだから無知な饅頭には腹が立 つ。 男は親れいむの死体を蹴り飛ばすと、夕暮れの緋色に染まった道を歩き、家路に着いた。 一、 「おいおい…なんだぁ?そりゃ、ゆっくりか?」 「どうしたんだよ…飼うのか?」 「違いますよ。ちょっとこいつらに芸を仕込めば、客寄せになるかなぁと思って」 「猛獣使いならぬ、ゆっくり使いってか…」 「言葉も話すし、面白いんじゃないかしら?頭の上にリンゴを乗せて、私の投げナイフの的に してもいいかも」 「乗せるならリンゴよりも赤ゆだろ」 「何それ、どうやっても死ぬじゃない」 陽気に笑う団員たちが囲むテーブルの上で四匹の赤ゆはお互いにぴったりと身を寄せ合い、 がたがたがたがた震えていた。とめどなく溢れる涙はテーブルを濡らし、まるでお漏らしをし ているかのようだ。 「でもこんな饅頭にできることなんてたかが知れてるだろ…?何をやらせるんだ?」 「そうですねぇ…空中ブランコに火の輪くぐり…玉乗りとか…」 「どれも絶望的なまでにできそうにないわね…」 「できなきゃ潰して捨てます。餌は自分らの残飯でも置いとけば日持ちするでしょうし」 「そうだな。確かに動物は人気だが餌代が馬鹿にならない」 団員たちはこの赤ゆ四匹を自分たちの一座の一員として迎え入れることにした。赤ゆたち に選択権などなかった。たかが饅頭にそんな権利などはない。こんなクソ饅頭などではなく 市販で売られている美味しい饅頭でさえ、売れ残って賞味期限が切れたら捨てられるのだ。 生まれながらにして賞味期限切れのゆっくりに、希望に満ちた明日などない。かくして、四 匹の赤ゆたちは、男によって水槽の中に放り込まれた。 「明日からビシバシ仕込んでやるから覚悟しとけよ」 「「「「ゆゆぅ………」」」」 四匹は水槽ごしに男を潤んだ目で見つめる。近くに転がっていた小さな釘をつまむと、赤 まりさの額に突き刺した。釘の刺さった箇所から痛みが波紋のように広がり、目を見開く赤 まりさ。 「ゆっびゃああああああ!!!いちゃい!!いちゃいよぉぉぉぉ!!!!これとっちぇぇえ!!」 「ゆーしょ!ゆーしょ!!」 赤れいむが釘を咥え、赤まりさから引き抜く。泣きじゃくる赤まりさ以外の三匹が水槽の 外に向き直り、一様にぷくぅと頬を膨らませるが、もう男はいなかった。 「ひじょい…よぅ…」 消え入るような声を漏らす。どの赤ゆが言ったかはわからない。だが、どの赤ゆもそう思 っていることだろう。痛みに震え、涙が止まらない赤まりさを囲んで三匹の赤ゆは頬をすり 寄せた。 「ゆぅ…ゆぅん…ゆっく…」 優しさが嬉しいのか、赤まりさはまた涙をこぼす。その涙を赤れいむがぺーろぺーろして あげる。四匹は本当に仲のいい姉妹だったのだ。寂しさを紛らわすかのように、ぴったりと くっついて、お互いに泣いていることを悟られないよう、水槽の中での最初の夜を過ごす。 疲れたのだろう。四匹はいつのまにか静かな寝息を立てていた。 夢を、見ていた。 親れいむがいて、親まりさがいて…暖かくて大きな体で自分たちを守ってくれる。親まり さのおさげに噛みついてぷーらぷーらさせてもらったり、親れいむのゆっくりできるおうた を聞かせてもらったり…そこには幸せな自分たちがいた。口を揃えて“ゆっくりしていって ね”と言い合い、笑い合う。ただそれだけのゆん生。 何でもないようなことがしあわせー!だったと思う。なんでもない夜のこと。二度とは戻 れない夜。 今、ここにある“夜”は、暗く…冷たい、ただの闇だ。 夜が明けて行く。小さな窓から朝日が入り込み、死んだように眠る赤ゆたちを照らした。 赤れいむのまんまるな目がぱちり、と開く。そして、力いっぱいのーびのーびすると、三匹 を振り返り、 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!!」 叫ぶ。 「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!!!」」」 本能で挨拶を返し、その段階で餡子脳が覚醒する。一日の始まりだ。赤まりさは元気よく 「おかーしゃん!!!まりしゃ、ゆっくちおきちゃよっ!!あしゃのしゅーりしゅーり……」 「「「…………ゆぅ…」」」 三匹が涙目になって俯く。言いかけて赤まりさも気づく。ここは昨日までのおうちではな い。無機質な壁に囲まれた箱の中だ。 「ゆっ…ゆっくち…ごめんにぇ…」 帽子で顔を隠し、震える赤まりさ。悪いことをした、と思っているのだろう。赤れいむが ずりずりとあんよを引きずり、赤まりさの帽子を持ち上げる。案の定、涙を流している赤ま りさにすーりすーりしながら、 「ゆっ!!れいみゅはげんきだよっ!!!だからまりしゃもげんきだしちぇにぇっ!!!」 「ゆぅ…ゆゆゆゆぅ…」 「ったく…てめぇらのくだらねー友情ごっこなんかどうでもいいんだよ…」 赤ゆたちの上から声が聞こえる。水槽の中から一斉に上を見上げる赤ゆたち。男がいた。 「メシだ、食え」 言って、動物たちの餌の残りカスや、野菜クズ、卵のカラ、果てには昨日の味噌汁の残り がべちゃべちゃと注がれ、上を向いていた赤ゆたちの顔に残飯シャワーが浴びせられる。 「く…くちゃいよぉ…!!」 「ゆっくちできにゃいぃぃぃぃぃぃぃ」 「こんにゃのたべりゃれにゃいよっ!!!!」 「いもむししゃんでいいかりゃちょうらいにぇっ!!」 お玉に掬った小さな豆腐を、最後のセリフを吐いた赤まりさに叩きつける。豆腐は赤まり さの額に当たり、弾け飛んだ。 「芋虫でいいから、だと?お前らがそんな風に言える生物なんて、この世界にはいねぇんだよ」 「ゆっ…!れいみゅたちはいもむししゃんとかたべりゅんだよっ!!!いもむししゃんはれ いみゅたちよりも…」 「芋虫は成長したら、綺麗な羽を持つ蝶々になれる」 「ゆっ?!」 「お前らは成長したら何になれるんだ?顔がでかくなって、無駄に生意気なことしか喋れな い中身の餡子が増えるだけだろ?お前らは育ったところで誰にも喜ばれないんだよ」 「ゆぐぅっ!!!!」 “ちびちゃん…ゆっくりゆっくりおおきくなってね…!”そう言ってくれた親れいむと親 まりさを馬鹿にされているようで、悔しくてたまらない四匹は一斉に頬を膨らませる。 「お前らゆっくりはなぁ…成長しようがしまいが、殴られるか蹴られるぐらいしか価値がな いんだよ」 「ゆ…ゆっぐぢぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」 ますます頬を膨らませる。顔は真っ赤だ。よほど悔しかったのだろう。男はそんな赤ゆた ちを無視して部屋の外に向かう。扉の前で振り返り、 「早くそれ全部食えよ」 言って、立ち去る。そして、残された残飯タワー。臭いような気がしてきた。 「く…くちゃあああああい」 「こんにゃの…じぇったい…たべにゃいよっ!!!」 赤ゆたちは、残飯の山から可能な限り離れて悪臭と空腹に耐えていた。残飯から一番遠い ガラス壁に顔を押しつけ、そのまま動かない赤ゆたち。 しばらしくして、男が部屋に入ってきた。残飯には一切手をつけていないようだ。四匹の 赤ゆは一様にきゅるるる…と腹を鳴らし、表情は疲れ切っている。空腹の限界なのだろう。 それでもその“餌”を食べないとは強情な饅頭だ。 「ゆゆっ?!」 赤れいむが男の手に掴まれ、水槽の外に出される。一斉に抗議を始める三匹。男の耳には 当然入らない。男は、用意した箱の中に熱湯を注ぐ。そして、おもむろに掴んだ赤れいむの あんよを少しだけ熱湯の中に鎮めた。 「あぢゅうううううういょぉおおおお!!!!!!」 「やめちぇにぇっ!!!れいみゅ、あちゅがっちぇりゅよっ!!!!」 赤まりさが、ぷんぷんしながら異議を申し立てる。男はすぐに赤れいむを熱湯から出した のでそこまで大きなダメージはなかったはずだが、赤れいむは体をじたばた振り回して泣き 叫んでいる。手に伝わる振動がこの上なくイライラさせられる。 「じたばたしてんじゃねぇよっ!!!次はその汚ぇ顔から沈めてそのまま殺すぞっ!!!」 汚い言葉で赤れいむに怒鳴りつける男。そのあまりの迫力に赤れいむは体をビクッと震わ せ、ゆっく…ゆっく…としゃくり上げながら涙をこぼした。男の剣幕に静まり返る水槽の中 の赤ゆたち。 「…大人しくできるじゃねぇか…。熱がってるフリでもしてたってか?たかが饅頭の癖に小 賢しいマネしてんじゃねぇよ。次やったら、即、ぶっ潰すからな」 がたがたと震える赤れいむ。男は水槽の方に向き直り、 「てめぇらもだ。覚えとけよ」 三匹の赤ゆたちは視線を逸らす。みな、一様に震え、涙を流すものもいた。 男は、熱湯の入れられた箱の上に小さな空中ブランコの模型をセットする。そして、 「オラ、これ噛め」 「ゆゆっ??!!」 「ゆ、じゃねぇよ。さっさと噛めっつってんだろうが」 赤れいむは小さな木の棒に噛みつく。その状態で男は赤れいむに説明を始めた。 「いいか?今からお前を俺の手から離す。ずっとそれ咥えてろよ。でなきゃ、また下の熱湯 にドボン、だ。次は助けない。落ちたらそのまま死ね」 「ん…んぐぃぃ…!!!」 言われた通りに木の棒を咥えたまま、涙を流し顔を横に振る赤れいむ。水槽の中の姉妹た ちもそれがどんなに恐ろしいことか理解しているのだろう。心配そうに一人と一匹のやり取 りを見ている。 男が赤れいむから手を離す。途端に下へ下へと引っ張られる赤れいむ。木の棒を咥える力 が強くなる。ギリギリと木の棒に噛みつき、必死で耐えている。男は必死の形相の赤れいむ に向かってなおも淡々と説明を続けた。 「で、だ。今からお前の咥えている木の棒と、向こう側にある木の棒を揺らす。そして、向 こう側の木の棒に飛び移れるタイミングを見計らって、飛び移れ。つまり、上手く向こう 側の木の棒に噛みついてぶら下がれればいいんだ」 そう言って、赤れいむとは反対側のブランコをまず揺らし始める。 (あんにゃにはやくうごきゅものになんちぇとびうちゅれにゃいよっ!!!) 心の中で叫ぶ。続いて、赤れいむのブランコが揺らされる。木の棒を咥えたまま、前後に 空中移動する饅頭の光景はなかなかに間抜けなものだった。と、そのとき。 「ゆっ!!!おしゃりゃをとんd…ゆっ!!!ゆあああああああああ!!!!!」 「「「れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」」」 叫んだ瞬間、木の棒を咥えていた口が開かれ、真っ逆さまに落ちて行く赤れいむ。やがて 熱湯の中に着水する。飛び上がって 「ゆぎゃあああああ!!!あぢゅい゛っ!!!!あちゅいよ゛っ!!!!だじゅげぢぇ!! だじゅけちぇくだちゃい゛い゛い゛!!!!おにぇがいしましゅうううう!!!!」 熱湯の中をバシャバシャと跳ねながら必死の懇願を続ける赤れいむ。男は無視。水槽の中 の姉妹も、 「おにいしゃん!!!おねがいしましゅぅぅぅぅ!!!れいみゅを…れいびゅをたちゅけて あげちぇくだしゃいいいいいいい!!!!!」 「おにぇぇぇちゃあああああん!!!あちゅいよぅぅぅ!!!たちゅけちぇぇえ!!!」 「れいびゅぅ!!!!ゆあああああああああああああああ!!!!」 赤ゆたちの絶叫が殺風景な部屋の中にこだまする。熱湯の中の赤れいむはと言うと、皮が 真っ赤に腫れあがり、熱で溶かされたのか、体中の穴という穴から液状化した餡子が漏れ出 ている。もはや、跳ねる力さえ失った赤れいむは目を見開き、びくびくと痙攣を起こし始め た。 「おにいぃぃぃぃしゃああああああああん!!!!!!!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛………っ!!!!」 水槽の中からの叫び声。そうこうしているうちに、赤れいむの皮はふやけていき、顔の形 を構成していた部分が崩れ始めていた。両の目玉は力なく溢れ出し、綺麗に揃っていた歯も 次々と抜け落ちて行く。そして、舌に当たる部分がだらしなく垂れ下がると、 「もっちょ……ゆ………くち………しちゃ………………」 言い残し、赤れいむは絶命した。死体はとても目を向けられるようなものではなかった。 空洞になった目の部分からも溶けた餡子が未だに外へと漏れ続けている。赤ゆのまだ薄い皮 が破れ、水面を漂う。 「ゆ…ゆげぇっ!!!!」 あまりの凄惨な光景に、赤まりさが思わず餡子を吐く。男はため息をつくと、 「“お空飛んでる”もある意味、条件反射みたいなもんだったな…空中ブランコは駄目か」 言いながら、空中ブランコの模型を片付ける。目の前のゆ殺装置が取り除かれたのを確認 した姉妹たちに刹那、安堵の色が見える。男は赤れいむの死体の入った箱を持ち上げると、 流し台に赤れいむごと熱湯を流した。アルミ製の流し台がベコンと音を立てる。皮と餡子は 綺麗に流れたが、髪の毛と飾りの赤いリボンは排水溝のネットに引っ掛かったので、ゴム手 袋をしてそれを取り除いた。 「れい…みゅ…?」 一匹の赤ゆの呼びかけに、男は無言で空っぽになった箱を姉妹たちに見せつける。 「ゆんやあああああ!!!!!」 「れーみゅ!!!れーみゅどこぉぉぉぉぉ?!!!」 叫んで叫んで、叫んで。叫び疲れて眠りにつくまで、三匹になった赤ゆは叫び続けた。返 事を返してくれる赤れいむはもう、死んでいるというのに。 二、 「まりしゃ……もう…」 「おにゃか…ぺこぺこ…だよぅ…」 姉妹の壮絶な死を目の当たりにし、あれほど絶叫していた赤ゆたちは、空腹で目覚めると 次の難題を前に右往左往していた。動けばそれだけエネルギーを消費する。体内の餡子を熱 エネルギーに変換して移動の力に当てているので、餡子はどんどん体の中から消えていく。 この餡子の量が三分の一になると、自分の意思とは無関係に熱エネルギーに変換するための 機能が完全に停止する。そうなると、もうそこから一歩も動けない状態になり、生命の維持 だけを優先するようになるのだ。当然、餡子の量が三分の一以下になると息絶える。瞬間的 に体内の餡子を失った場合は、熱エネルギーに変換した分の力が残っているために、 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 と言ったような声を残し、直後に逝くのだ。逆に、 「もっとゆっくりしたかった…」 と言うような言葉を残すときは、顔などの皮に壊滅的なダメージを受け、熱エネルギーを生 み出す器官そのものが破壊された場合や、体内の餡子が徐々に漏れ出してしまった場合など によく見られる。…御託はどうでもいい。とりあえず、死ぬのだ。 そんなわけで、三匹の赤ゆたちは、今すぐにでも食事をし食べた物を餡子に変換しなくて は、生命の維持が危うい状態にまで達していた。すでに夕方になってはいたが、空中ブラン コの件以降、男はこの部屋には一歩も踏み入れてなかった。赤ゆたちの目の前にはるのは、 今朝の残飯だけである。 「ゆぅ…ゆぅ…」 残飯の前に進んでは、引き返す。そんな無駄な行動を赤ゆたちはずっと繰り返していた。 生きるためには目の前の残飯を食べるほかない。しかし、それはとてもゆっくりできるよう な代物ではない。もう泣く気力も失せていた。 そのとき、赤まりさがずりずりと残飯の元に向かい、目にいっぱいの涙を溜めながら、 「…ゆっくちたべりゅよっ!」 「「ま…まりしゃっ!!!」」 「むーちゃ、むー…ゆぶるぇぇえぇぇええぇ!!!!」 すでに腐臭を放っている、キュウリの切れっぱしを口に含んだ赤まりさは、餡子と一緒に それを吐き出す。本能が赤まりさに危険信号を送る。赤まりさはすでに動かなくなりつつあ るあんよに全神経を集中して、先ほど吐いた自分の餡子と腐ったキュウリの切れっぱしを口 に入れて、飲み込んだ。 「…ゆぐぅ…ゆべっ………ふちあわちぇ…」 それだけでも違うのだろう。幸せか不幸せを判断する程度の思考能力と、それを口に出す だけの力は戻ったらしい。予断を許さぬ状態であることには変わりないが。赤まりさはもう 一度吐き出しそうになる餡子を必死に口の中で抑え、またそれを飲み込んだ。 「むーちゃ。むーちゃ…ゆぐぅっ!!!!んうぐっ…んゆぇ…まじゅいよぅ…」 「むーちゃ……む…ゆぐぎぃ……ぎぐ…ゆぐ…りぃ……ふちあわちぇ~…」 想像を絶する酷い味だ。口の中に入れた瞬間、ぬめっとしたものと腐臭が広がる。飲み込 まないといけないのに、体の中からは餡子が逆流してくるため、それを容易には行わせてく れない。 「ゆっくち…ゆっくち…いもむししゃんが…たべちゃいよぅ…」 「ゆぇぇ…もう…ざっそうしゃんまじゅいにゃんていわにゃいよぅ…」 「ゆぇっ…ゆぐっ…ちあわちぇ~…しちゃいよぅ…」 食事は命の洗濯、である。それだけは人間もゆっくりも共通事項であったようだ。食べな ければ、死ぬ。食べても死ぬような思いをする。これから、この地獄を毎日繰り返すと思う と、どれからともなく赤ゆたちは泣き出し始めた。 「よう。飯は食ったか?…おぅおぅ、食ってんじゃねーか。よくそんなもん食えるな」 血気盛んな赤まりさが頬を膨らませ、 「おにぃしゃんが…もっちぇきちゃんでしょっ!!!こんにゃのじゃまりしゃたちちんじゃ うよっ!」 「何言ってやがる。それが食えない、ってんなら飢えて死ね」 「ゆゆゆゆゆっ???!!!!」 「何度も言わせんなよ。お前らが何匹死んでも誰も困らないの。さっきも饅頭一匹死んだけ ど、泣いてんのはお前らぐらいのもんなんだよ」 「ゆぐ…ゆっくちぃ……」 どうしてこの人間さんはこんなに酷いことばかり言うのだろう?赤まりさは悲しくて悔し くて涙をぽろぽろとこぼし始める。少なくとも、おかあさんたちは悲しんでくれるはずだ。 思い、在りし日の母を思い出し、更に涙が込み上げる。残りの姉妹も同じことを考えている のだろう。それぞれ、体全体を震わせ嗚咽を上げる。 「泣いてもなんにもなりゃしねぇよ。何もできない、ってわかりゃびーびー泣くだけか?だ からお前らは屑なんだよ」 あまりにも理不尽な物言いだった。自分たちから何もかも奪い去っておいて、無理矢理こ こへ連れてきて、屑だ死ねだと言われる。悔しくて悔しくて涙がいつまでたっても止まらな かった。それなのに、この人間は“泣けば済むと思ってるのか”と問うてくる。 男は戯れに赤まりさの帽子をむしり取った。悔し泣きが一転、この世の終わりのような顔 をして男に向き直る赤まりさ。涙も止まり、必死に体を伸ばし、 「お…おぼうち…!まりしゃのだいじにゃおぼうちしゃん!!!ゆっくちしにゃいでかえし ちぇにぇっ!!!!!」 「そんなことより、後ろを見てみなよ」 「ゆっ?」 振り返り際、何かが自分の顔に激突し、残飯の海の中に叩きつけられる。赤まりさの体は 残飯と腐った汁にまみれ、ぐちょぐちょだ。赤まりさは自分に激突したものの正体を悟った。 それは他でもない、赤まりさの姉妹たちだった。 「かじゃりのにゃいゆっくちはゆっくちできにゃいよっ!!!」 「ぼうちのにゃいまりしゃはゆっくちしにゃいでちんじぇねっ!!!!!」 帽子をかぶった赤まりさが、帽子をかぶっていない赤まりさを罵倒する。 「おいおい…お前ら、それでも姉妹かよ」 男が笑いながら水槽の中の赤ゆたちに声を掛ける。右手の指でつまんだ赤まりさの帽子を ぷらぷらと揺らしている。まるで、汚物でも見るような二匹の姉妹たちの視線に耐えられな かった赤まりさは、水槽に顔を押しつけて、 「おでがいじばじゅぅぅぅぅぅ!!!!まりじゃの…おぼうぢぃ…がえしちぇぇえ!!!」 「くっだらねぇ」 男は、水槽の壁の外に赤まりさの帽子を置いた。目の前にある帽子に向かって赤まりさが あんよをずりずり必死に拾いに行こうとする。 「ゆああああ!!!かべしゃん!!!!いじわりゅしにゃいでゆっくちどいちぇにぇっ!!」 水槽の壁に遮られ、一ミリたりとも帽子に近づくことができない赤まりさ。理由は不明だ が、ゆっくりという生き物は帽子やリボンといった飾りに異様なほどの執着を見せる。そし て飾りのないゆっくりは、生涯迫害され続けて生きていくか、同族によって執拗に苛めぬか れた末に殺されて、そのゆん生を終えることになる。この姉妹も例外ではなかった。 「まりじゃの…おbゆげぇっ?!!!」 背後から赤れいむの体当たりが炸裂し、赤まりさの顔は水槽の壁に押しつけられ皮が伸びた 状態で張り付いていた。これには男も腹を抱えて笑った。 「れい…みゅぅ…」 もうそこには、昨夜まで互いに身を寄せ合い、励まし合った姉妹たちはいなかった。ゆっく りという種族は“自分と違うモノ”を極端に毛嫌いし、それを迫害することに快感を覚える。 例としては、めーりん種という言葉を喋れないゆっくりがいるのだが、そのめーりんが他の ゆっくりに見つかろうものなら、酷いことになる。何もしてなくても、暴力を受け群れの中 に引きずり込まれ、死ぬまで集団リンチの的にされるのだ。 ゆっくりが弱いモノ苛めをできるのは、ゆっくりだけなのだ。それは、自らの手で自分たち が生物界の底辺に位置すると証明しているようなものなのである。 「ゆ…ゆっくちやめちぇにぇっ!!!!」 「かざりのにゃいばかなゆっくちはちねっ!!!!」 あんなに優しくしてくれた赤れいむが、鬼のような形相で何度も何度も赤まりさに体当たり をする。帽子をかぶった赤まりさは、帽子のない赤まりさのおさげを咥え、動けないようにし ている。何度目の体当たりかはわからないが、ついに帽子なし赤まりさの皮が破れ、中身の餡 子が飛び出した。 「ゆぎいぃいぃいいいぃ!!!!」 「ゆぷぷっ!いいきみだにぇっ!!!」 「はやくちんじぇにぇっ!!」 赤れいむは、帽子なし赤まりさの頭に飛び乗り、ばむばむと踏みつけた。破れた箇所から餡 子がさらに飛び出す。赤れいむは、確実に殺しにかかっていた。そして、体内の餡子のほとん どを失った帽子なし赤まりさは 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」 悲鳴を上げ始めた。男は、赤れいむをふりほどくと、赤まりさの頭に帽子を乗せた。瞬間、 「ま…まりじゃあああああああああっ???!!!!!!」 先ほどまで悲しみを分かち合っていたはずの赤まりさの顔はボロボロだ。片目が飛び出し、 顔はアザだらけで所々破れており、餡子が伝っている。すでに言葉を発するだけの餡子を備え てはいないのだろう。苦しそうにうめき声を上げるだけだった。焦点も定かではなくずっと宙 を向いていた。 「しゅーりしゅーり…」 「ぺーりょぺーりょ…」 赤まりさに瀕死の重傷を負わせた当の本人たちが、傷をなめたり頬をすり寄せたりしている のは滑稽以外の何物でもなかった。ほどなくして、赤まりさは死んだ。男はずっと笑っていた。 「おもしれぇなお前らは。それから明日の朝飯はヌキだ。先にそれ全部食え。全部なくならな い限り、餌は持ってこない。じゃあな。ちゃんと食べとけよ。明日はきついぞ」 半笑いのまま、男は部屋を後にした。鍵をかける音が狭い部屋に短く響いた。ついに二匹と なってしまった赤れいむと赤まりさの目の前には、少量の残飯と赤まりさの死体。命に替える ことはできないため、二匹の赤ゆは何度も何度も吐きそうになるのをこらえ、残飯を食べ終え た。…空腹はそれでも満たされなかった。 三、 「あっはっはっはっは!!!!!信じらんねぇ、なんなんだお前ら!!!!!」 残飯を…腐った生ごみを二匹はすべて食べ終わっていた。それだけならここまで笑いごとに はならない。男が笑っていたのは、申し訳なさそうに水槽の片隅に置かれていた、昨日の赤ま りさのものと思われる帽子と、散らばった無数の金色の髪の毛だった。 「食ったの?ねぇ、食ったの?姉妹を?最悪だな、お前ら!!!腹が減ったら家族も食うのか!」 ゲラゲラと大笑いする男の言葉を聞きながら、二匹はぷるぷる震えて涙を流す。 「泣いてんじゃねぇよ、共食い饅頭どもが。オラ、今日の餌だ」 汚物と言ってもいいような液体や食べ物であったものが、どちゃどちゃと注がれる。空腹で 必死に残飯の元へたどり着く、二匹の赤ゆ。口を開けたところで動きを止め、そわそわしなが ら男に視線を送る。 「みられてりゅと…ゆっくちちあわちぇー…できにゃいよ…」 「おにぃしゃんは…あっちむいちぇちぇにぇ…」 「早く食えよ。お前らが残飯食うとこしっかり見ててやるからよ」 「ゆぅ…ゆぅぅ…」 残飯を食すところを見られるのはかなりの屈辱のようだ。それでも、べちゃ…べちゃ…とい う音を立てながら、口の中に入れていく二匹の赤ゆ。顔面蒼白だが、咀嚼する口の動きは止ま らない。二匹は気づいていた。自分たちがとてもゆっくりできていないゆっくりになっている ことに。そして、それこそが最大の恥辱であった。 「むーちゃ…むーちゃ…ゆぐぅ…」 ゆっくりできていない姿を見られるのは悔しくてたまらなかった。ゆっくりできていないゆ っくりは制裁されるのだ。それを思えば二匹の反応は至極当然のことであると言える。 泣きながら“餌”を食べるゆっくりの傍ら、男は何やらまた準備を始めた。昨日の赤れいむ の姿が頭をよぎる。今度は何をやらされるのだろう。 男は取りだした小さな縄で造られた輪っかをセットする。三本の支柱から鎖が伸び、その輪 っかを固定している。男はライターを取り出すと、その縄の輪っかに火をつけた。灯油が染み 込ませてある縄は、突如として勢いよく燃え上がる。 突然の閃光に二匹の赤ゆは目を点にして固まる。開いた口から魚の目玉がこぼれた。 「ゆ…ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ…!!!」 嫌な予感がしたのだろう。赤まりさが必死に男に呼びかける。赤れいむは言葉も出せずにが たがた震えている。ぱちぱちと音を立てて揺らめく炎を初めて見る赤ゆたちも、それがゆっく りできなさそうなものだということを本能で理解しているようだ。 「何が“ゆっくりしていってね”だ。俺はゆっくりしてるっての」 男が水槽の中に手を伸ばす。まるでカエルのようにぴょんぴょん飛び跳ね水槽の中を逃げ回 る二匹の赤ゆ。やがて、赤まりさのおさげが男の手に捕えられた。おさげを掴まれ宙に釣られ る赤まりさ。 「ゆんやあああああ!!!いちゃいよぅっ!!!!はなちちぇぇええええ!!!!」 顔をぐしゃぐしゃにして泣き叫ぶ。自身にはどうすることもできない、ということを悟った 赤れいむは、水槽の角でぷるぷるぷるぷる震えながら赤まりさを見つめている。もう、水槽の 中に身を寄せ合う姉妹はいない。水槽の中に赤れいむのしーしーが広がる。それにさえも気づ かない。否、気づけない。それぐらい心が恐怖で支配されていた。 赤まりさは、燃え盛る炎の輪の目の前にちょこんと置かれると、熱風と強烈な光に身をくね らせ男の手から逃げようとする。しかし、男の緊縛はそれを許さない。男は、赤まりさの頭を 潰さないように注意しながら踏みつけると、 「いいか。その輪っかの中をジャンプしてくぐれ。お前がやるのはそれだけだ。できないなら 潰す」 理不尽な二択を迫られ、歯をカチカチ鳴らし震え始める赤まりさ。熱気と恐怖で意識が飛び そうになるのを必死で耐えている。二度、三度、目眩がした。額から大粒の汗が流れる。この ままこの場に留まっていたら、水分を失い乾燥死するだろう。 「ゆっくち…しゃしぇちぇよぅぅぅぅぅ!!!まりしゃ…なんにもわりゅいことしちぇにゃい にょにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!」 踏みつけている足の下から、赤まりさの声が響く。靴越しに震えが伝わってくる。そんな赤 まりさに男は一言。 「飛ぶか、潰れるか、選べ」 赤まりさは声を出すのをやめた。涙は流れ続けたままだ。赤まりさは、男の足からずりずり と這いだすと、赤い巨大な魔物と対峙した。迷っている暇はなかった。飛ぶ前に水分を失って 死ぬ。そう判断した赤まりさは、決しの覚悟で業火の中に身を投げた。 「ゆ゛ぎい゛い゛い゛い゛い゛っっっっっっ????!!!!!!!!」 もともと、そんなに広くない直径の輪っかに赤まりさの帽子が引っ掛かって身動きができな くなる。 「ゆ゛があ゛あ゛っ??!!!あ゛ぢゅい゛!!!あ゛ぢゅい゛よ゛お゛お゛お゛!!!!!」 炎が、赤まりさの素敵なお帽子を、柔らかな皮を、綺麗な金髪を舐めまわす。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」 完全に帽子が焼け落ちるとともに、半身を炎に包まれた赤まりさが輪っかから落ち、周囲を 跳ねまわる。恐ろしい形相の赤まりさを見た赤れいむは勢いよくしーしーを噴出する。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」 恐怖を抑えられない赤れいむは混乱に陥り、視点の定まらない瞳をぐるぐる回し始めた。男 がオレンジジュースを赤れいむにかける。正気を取り戻す。水槽のガラス越しに、全身を炎に 蹂躙されている赤まりさの姿。皮のほとんどを焼かれ、動くことすらままならない赤まりさは 焼けて膨張した目玉が今にも飛び出そうな状態で、赤れいむを見つめながら、 「ゆ゛…ぐぢぃ…ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛…」 流れ出した傍から蒸発していく涙。顔の半分以上は既に炭化し、それでもなお炎は赤まりさ を捕えて離さない。 「お前は観客だよ。水槽の中という安全な場所から、もがき苦しむ姉妹を観賞するだけの存在。 どうだ?なかなか見れないだろう?自分の姉妹が焼け死ぬところなんか」 「…っ!!!…ぅ……ぁ…ゅ…………ゅぅ…」 やがて、赤まりさが朽ち果てた。水槽の中は観客席だった。水槽の外はステージ。未だ燃え 盛る炎が赤れいむの瞳に映る。次は自分の番なのだろうとゆっくり理解した。男は、赤れいむ のリボンをつかむ。ステージの上に放り出される。 「…イッツ…ショータイム…」 観客は男ただ一人。ステージの上には、赤れいむと赤い悪魔。炎の輪っかは、まるで大きな 口を開けた怪物だった。赤まりさ同様、熱気が全身を襲い、それだけで意識を失いそうになる。 とめどなく溢れる涙と汗のせいで、喉はカラカラだ。赤れいむは意を決して、眼前の炎から逃 げ出した。男が腕を振り上げる。それでも距離がある。赤れいむは逃げ切る自信があった。 「ゆびいぃっ??!!!」 赤れいむの頬が弾ける。破れた皮から餡子が飛び出した。風を切る音が赤れいむの顔の周り を行ったり来たりする。 「ゆぎっ!!!ひぎぅっ!!!ゆべぇっ!!!!!!」 男は鞭を振り回していた。鞭が無知を襲う。何度も何度も柔らかな頬を、あんよを…汚い尻 を打ちつける。 「ゆっぐちぃ…しちゃい゛よ゛おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 「何逃げようとしてんだよ、カス。逃げられるわけねーだろ。お手玉もどきが」 何度目の衝撃だろうか。ついに赤れいむの片目が弾け飛ぶ。突然狭まる視界と強烈な痛みに 床の上をのた打ち回る。 「いぎゃああああああああ!!!!れいみゅの…おべべがあああああああ!!!!!!!」 この期に及んで目玉一つの心配とは恐れ入る。男は鞭を振るう手を止めなかった。鞭に弾か れた赤れいむは、右に左に飛ばされる。膨れ上がった顔は、もはや原形を留めていなかった。 ころころと転がることもない。衝撃がリボンをむしり取り、揉み上げを吹き飛ばし、赤れいむ はゆっくり…ゆっくり…ただの饅頭になろうとしていた。 「い゛ぢゃい゛よ゛ぅぅぅ!!!おがあ゛じゃあああああん!!!たじゅげぢぇええええ!」 なおも叫び続ける。生命力だけは凄まじい。こんな状態になってまでまだ生きようというの だろうか。最後に、力任せに振り下ろした鞭は、赤れいむを真っ二つに寸断した。 「う゛…ゆ゛…ぎぃぎぃ…」 二つに割れた饅頭は、しばらくうねうねと動いていたが、やがてぴたりと動きを止めた。死 んだのだ。 ゆっくりに芸を仕込む、という計画は失敗に終わった。しかし、まだたったの四匹だ。四つ の饅頭が駄目になったからと言って、諦めるには早すぎる。ゆっくりたちはよく、“おやさい さんはかってにはえてくるんだよ!!”と言う。しかし、男は言う。 「ゆっくりは勝手に生えてくるからなぁ…」 と。 空っぽの水槽の中。半分以上残された残飯の山は、まるで身を寄せ合い震え続ける四匹の赤 ゆたちのようだった。 終わり。 何度かボリューム少ない、と言われたから増やしてみたよっ!! 日常起こりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。 過去作一覧 ふたば系ゆっくりいじめ 317 田舎の少年たち ふたば系ゆっくりいじめ 325 ローテーション ふたば系ゆっくりいじめ 329 アリ×まり ふたば系ゆっくりいじめ 338 水上の弾幕 ふたば系ゆっくりいじめ 341 手近なもので ふたば系ゆっくりいじめ 348 ペトショの裏 その1 ふたば系ゆっくりいじめ 350 ペトショの裏 その2 ふたば系ゆっくりいじめ 352 ペトショの裏 その3 ふたば系ゆっくりいじめ 356 働かざるモノ食うべからず 余白あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓そーなのかー -- 2011-11-03 00 42 38 下の米で新人がどーたらもめてるけど、サーカスで持ち芸のない人なんて8割くらいいるぞ。 ステージで道具を持ってくる人も、雑務も、数年間やってからステージに立つんだよ… -- 2011-09-22 18 50 06 空中ブランコが面白かった -- 2011-04-06 20 48 12 ↓だから下っぱなりに新しいスキル獲得に挑戦してんじゃねえか。 なんか勘違いしてるようだが、ゆっくりを操る能力に関しては今現在習得の途中段階だろ。いきなり操れるようになんてなるわけが無し。 芸が無くてもサーカスで働く新人はいておかしくないし、こんな勤勉な新人クビにしてたらサーカス団こそ潰れちまうだろ。 -- 2011-01-09 19 44 25 こいつ自分の立場分かってんのかな? サーカス団も慈善事業じゃないんだから、自分の芸もなく ゆっくりを操る能力もないんじゃサーカス団にとってはただの無駄飯食い。 新人だし早々にクビだな。 -- 2010-10-30 00 11 26 おにいさんがばかすぎてゆっくりできないよ・・・・ -- 2010-10-14 21 20 39 すっ!すっきりー!! これめっちゃおもしれえ!! 最高にQNQNできました このお兄さんがDQNっぽいところがまたいい! 自分でやらせておいて、何やってんだよゲラゲラの王道がいいねw -- 2010-09-28 08 33 18 クソゴミの扱いが妥当です -- 2010-09-28 00 53 11 >上手くいかなったとしたら潰して捨てればいい。替えの効かない動物を調教するよりも遥かに効率がいい。 >死ねばまた拾ってくればいいだけの話なのだから。 すごく効率が悪くて、永久に無理な気がする。 言動に矛盾が多く、仕事するふりしてオナニーしてるこの男の頭の悪さがイライラした。 -- 2010-08-28 23 01 52 ゆっくりできたが…これ日常で起こりうるか?w -- 2010-07-10 23 27 46 この男の計画性のなさと効率の悪さに少しいらいらした あと自分で食えと言っといて食ったら笑う系の虐めはゆっくりできね -- 2010-03-03 11 46 55
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/643.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 295 秋の風物詩/コメントログ」 あにゃるに焼けた薪が最高! とてもONONすっきりできましたw -- 2010-09-12 03 53 45
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2203.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1054 夢想天生/コメントログ」 作者別 -- 2010-03-27 20 08 28 微妙に役に立たなさそうな辺りが面白そうな設定 -- 2010-06-10 00 15 30 次は二重結界で。 -- 2010-07-08 05 49 31 北○神拳の前には死あるのみ・・・ -- 2011-07-07 08 52 31 このれいむはケン○ロウ -- 2013-01-02 07 48 53
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1361.html
前? 「う~?」 ゆっくりれみりゃがパチュリーに連れてこられたのは、今までの自分の家では無かった。 「お姉さんも、ここでいっしょにゆっくりしようね」 ゆっくり霊夢が言ったが、ここはもうゆっくり達の家でもない。 「あら、思ったほど酷くなかったわね。これなら意外と早く終わりそうね」 「じゃあ、さっさとやって頂戴。私はここ数日働きすぎて疲れたわ」 「何を言っているの? あんたにも手伝ってもらって、やっと意外と早くよ」 「むきゅーん」 そういって人形を使い家を直してくアリス。 彼女がこの家の主である。 「あぁ、でも人形のダメージは酷いわね。コレが終わったらいったん修理しないといけないわね」 ブツブツ言いながら、同じくブツブツ言っているパチュリーにアレコレ指示をする。 ちなみに、パチェリーのブツブツは、小悪魔早くこっちに来いだったりするが。 「お姉さん、わたしたちもてつだうよ!」 三匹が、何か仕事は無いものかと、ウズウズしながら話しかける。 「大丈夫よ。あなた達は外で遊んでいらっしゃい。ずっと檻の中に居たから、体が鈍ってるんじゃない?」 「いいの?」 「えぇ、良いわよ」 「やったぁ、まりさ、ぱちぇりー行こう」 「むきゅー」 「お姉さんゆっくりしてくるよ!!!」 ゆっくり魔理沙がアリスにそう話す。 元が単純なゆっくり種であるゆっくり魔理沙は、先ほどの会話で、アリスが優しくなったと思ったらしい。 その口調は、普通のゆっくりが人に向けるそれと同じであった。 「いってらっしゃい」 「イッテラシャィ」 「ラシャーイ」 笑顔で送り出すアリスとその人形達。 「お庭もひどいねー」 「あらしだったからだよ」 「ぱちぇりーはものしりだね」 「きょうはおともだちこないねー」 「「ねー」」 日が天辺まで昇った時、木陰を求めて、何時もの木の下で話す三匹。 ゆっくり魔理沙も、アリスが居なくなってからの暮らしと、何も変わっていない事に安堵する。 「う~♪」 玄関からした声は、庭に追い出されたゆっくりれみりゃの声だ。 「う~! ゆっくりゆっくり♪」 一昨日、加工場内で見たゆっくり達が忘れられなかったのだろう。 木陰で屯っている三匹を見て、とても嬉しそうにダンスを踊る。 「いっしょに来たゆっくりだね」 「にんげんみたいに、からだもあるね」 「きしょうしゅっていうんだよ」 「「ぱちゅりーはものしりだね!!!」」 「むきゅ~」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「う~~!!! ゆっくりしゅるしゅる!」 それから、四匹はいっしょになって遊んだ。 庭を駆け、一緒になって話をしている内に、日は森の木よりも低くなっていた。 家の修理もそろそろ終わるようだ。 「みんなー、修理は終わったわよ。そろそろ暗くなるから、入ってらっしゃい」 「「「はーい」」」 「うっう~」 四匹がドアに近づくよりも前に、ドアの前に一人の人影が立った。 「すいませーん。遅くなっちゃいました。もう修理は終わっちゃいましたか?」 小悪魔だ。 片手に持っている大きな紙袋は、荷物が入っているのだろう。 「小悪魔。あなた随分遅かったじゃない。外で様子でも見てたんじゃないの?」 「いいえー。そんなことないですよ。私は、パチュリーさまに使役される身ですから。主が必要としているなら、直ぐにでも駆けつけますよ」 「お姉さん、ずっと外に居たよ」 「れいむたちが、そとにでたときからいたよ」 「おそとでゆっくりしてたよ」 「う~♪」 「ちょ!! 止めてよ!! 折角直したんだから!!!」 それを聞いてスペルカードを使おうとするパチュリーを必死に止めるアリス。 「いえ、それは落としていった幻影のスペルカードがですね……」 必死に言い訳する小悪魔。 「ゆゆゆ!!」 「「ゆ~~♪」」 「うっう~♪」 面白そうに笑う四匹。 暗くなった外から見るそれは、とても幸福そうな生活の一ページに見えた。 翌日、数少ないゆっくりれみりゃの持ち物(主にきぐるみ)を置いて、パチュリーとその使い魔は帰っていった。 太陽が、地面から切離されたばかりの、まだ早朝と言ってもいいような時間。 今、この家で起きているのはアリスだけだ。 「さてと。それじゃあ、朝食の用意をしちゃいますか」 上海と蓬莱を起こし、朝食の用意に取り掛かるアリス。 二人で、必死に野菜を切る人形達。 そして、切った野菜を鍋に入れ、調理していくアリス。 クツクツと煮立つその鍋からは、食欲をそそる匂いが漏れている。 「うん! 上出来ね。二人とも、四匹を起こしてきて」 二人は頷いて台所から出る。 向かう先は、随分前から使っていなかった石造りの小屋。 二人が中に入ると、たっぷりと敷き詰められた藁の中で、三匹が気持ち良さそうに眠っていた。 外で寝ると言っていたので、アリスが急遽、藁をしいて寝室にしたのだ。 それまで、ベットやソファーの上で寝ることはあっても、専用の寝室がなかった三匹には、与えられた専用の寝室を非常に喜んでいた。 一方のれみりゃは、壁際で毛布に包まって眠っていた。 昨夜、仲良くなった三匹と一緒にこの部屋をみた直後、れみりゃだけは走って家の中に行ってしまった。 初めての寝室に興奮している三匹に、おやすみを言って家の中に入ったアリス達。 家に戻り、れみりゃを探すと、アリスの部屋のベッドで跳ねて遊んでいるところを見つけた。 「う~♪ ゆっくり!!!」 本人は、ゆっくりのつもりで遊んでいるのだろうその様子は、アリスを突き動かすには十分だった。 「ねぇ、れみりゃ。三匹はもう寝ちゃったわよ。一緒に寝ないのかしら?」 「ここでねりゅ~。べっど♪べっど♪」 加工場で床で寝ていた事はあっても、やはりベッドが恋しかったのだろう。 まして、あんなところで寝るなどということは、紅魔館ぐらしのれみりゃには考えられないことであった。 「ふーん。でもそこは私のベッドよ?」 「ん~ん。れみりゃの。ちかづくとた~べちゃうぞ~♪」 この時、ゆっくり魔理沙がいたならば気付いただろうが、今のアリスの目は何時もの、ゆっくりを見る目であった。 「せっかくお風呂にも入れてあげたのに。それでもまだそんなに図々しいなんてね」 つかつかと、無言で自分のベットに近づいていくアリス。 「きちゃだめ~♪ ぎゃお~♪ぎゃお~♪」 暖房を効かせた部屋と外の様な、二人の温度差はすさまじいものであった。 「た~べty!?」 かいじゅうの真似事をしているれみりゃに回し蹴り。 れみりゃは、衝撃をモロにくらって部屋の入り口に吹っ飛ぶ。 「うー。うー」 「コレは私のベッドよ? あんたはさっきの三匹と一緒に、あの中で眠るのよ。分かった?」 「うー。わがっだ。わがっだー!! うあ!!! ああ!!!」 れみりゃの返事も無視し、更に二三発蹴る。 とたんに、先ほどまで大泣きしていたれみりゃが大人しくなった。 「……あら、もう気絶しちゃったの?」 「本気で蹴り過ぎよ。あれじゃあ誰だって気絶するわよ。まぁ気持ちは分かるけど」 呆れた声で言うパチェリー、だが余程眠いのかしきりに目を擦っている。 「あんなのが私の部屋に入っただけで嫌気がするわ。小悪魔、コイツさっきの小屋に入れてきてくれるかしら」 同時に、シーツかと思う程つぶれた毛布が投げられる。 「人間らしく寝たがってたから、それでもかけてあげて」 「はい。分かりました、アリスさん」 アリスも疲れていたのだろう、後は小悪魔に任せて、自分も早々にベッドに潜っていった。 ―― そして、昨日のそれが引きがねになったのだろう。 アリスは早々に、れみりゃを最重要に、と人形たちに命じた。 魔理沙たちには余力でいい、とも言った。 その言葉の通り、眠っているれみりゃの顔面にパンチをして起こす上海。 「うー? うー?」 れみりゃの方は、何が起こったのか分からずおろおろしていたが、やがて何時ものように泣き出した。 さらに、自分が小汚い小屋の中で寝て言うことに気付いてまた泣き出す。 「どーしたの?」 「なんでないてるの」 「むきゅー」 その声で起き出した三匹、れみりゃが泣いているのが不思議なようだ。 「ォコシタラナィタノ」 「イエ、カワテサビシークナタノ」 「そっか~」 「れみりゃもゆっくりしようね!!!」 「しよおねー、……むきゅ」 懸命にゆっくりれみりゃを気遣う三匹。 れみりゃも、三匹に励まされだんだんと泣き止んだ。 「「今日もいっしょにゆっくりしようね!!!」」 「むきゅ~」 「う~♪」 大声で泣いたので目も覚めたのだろう、れみりゃは機嫌よく返事をする。 「ゴハンダァヨ」 「アサゴーハン」 人形達に引きつれらて家の中に入る、玄関から既に美味しそうな匂いが漂っていた。 「おねえさん、おはよー。おいしようなにおいだよ」 「おはよー。おなかへったよ、おねえさん」 「ごはん。ごはん」 「はいはい、どうぞ。」 トン。 軽い音と共に、パンとスープを人数分床に置くアリス。 それは、犬用の入れ物であった。 「テーブルの上は狭いから、ここで我慢してね」 たしかに、アリスの家のテーブルは狭い。 仮にゆっくりが三人のったら、それだけでいっぱいになってしまうだろう。 それを食事代わりにするのであれば、話は別だが。 「だいじょうぶだよ、お姉さん」 「魔理沙おねーさんがきたときもこうしてたべたよ」 「ごはん。ごはん」 ガツガツと、意地汚く食べる三匹。 以前の魔理沙なら、ここまで汚く食べていたら、すぐにアリスにイジメられていたが、一年という月日ですっかり忘れていた為、他のゆっくりと同じような食べ方に戻っていた。 それを見て、嫌悪感を感じているのではないかと思われたアリスだったが、それよりも、突然飛び出た魔理沙の名前に、一瞬頬を赤らめていた。 しかし、すぐにその熱は直ぐに冷めることとなった。 この三匹が、魔理沙を慕っているのが許せなかったからだ。 「う~? う~?」 その上このゆっくりれみりゃである。 以前、レミリアから散々コケにされていたアリスにとって、このゆっくりに出会えたことは幸せだった。 普通のれみりゃ種を相手にしたところでは晴れない。 しかし、この『元』レミリアであれば、その気持ちが晴らせるのだ、これ以上このれみりゃができる恩返しは無い。 「う~! ぱちぇ? こぁくま?」 そのれみりゃは、嘗て大事にしてくれた人の名前を叫びながら、キョロキョロと辺りを伺っている。 どうやら、パチェリーと小悪魔が見当たらないので騒いでいるらしい。 「あの二人ならもう帰ったわよ」 「っ!!」 その表情を見るたびに、体が小刻み震えていく事を感じるアリス、あのレミリアを自分が責めている。 それだけで、それだけで最高の興奮剤になり得た。 「ほら、パチュリーがあなたにって置いていったわ」 パチュリーが作っておいたプリンを差し出す。 とたんに、飛びつかんばかりの勢いでアリスの元に駆け寄るれみりゃ。 「う~♪ぷりんたべるたべる♪」 その表情でうかがい知れる。 どうやら、早くよこせといっている。 スプーンを両手に持って、椅子に座って待っている。 「どこに座っているの?」 「う~♪はやくちょうだい♪」 昨日のことを既に忘れたのか、それとも気絶して記憶が無いのか、アリスのどす黒い空気を全く気に止めないれみりゃ。 そのまま、笑顔でプリンを出す、バケツ一杯分もある大きなプリンだった。 「う~♪おっきいおっきい」 自分の顔ほどもある大きなプリンにご満悦のれみりゃ、彼女ならものの数分で平らげてしまうだろう。 「そのまえに、きちんとご飯をたべなさい」 スープとパンを三匹と同じ皿に装ってれみりゃの前にだすアリス。 「い~らない♪ ぷりん~ぷりん~♪」 元からお菓子しか食べないれみりゃは、聞く耳を持たない。ましてや、目の前に大きなプリンがある状態ではなおさらだった。 「そう、仕方ないわね」 いざ、スプーンを付けようとした瞬間に取り上げる。 当然、れみりゃは不満爆発だ。 「うー!れみりゃのぷりん!ぷりん!」 意に返さず、一人前だけを切り取ってれみりゃの前に出しなおす。 残ったプリンは三匹の前に出し。 「好き嫌いしたからよ。……さぁ、デザートのプリンよ」 食事に夢中で気が付かなかった三匹、突然出された大きなプリンにご満悦だ。 「すっげっ、でっけぇ!」 「うまい! うまいよお姉さん!!!」 「ごはん! ごはん! むきゅ~」 むしゃぶりつく三匹、対照的に自分のプリンと三匹のプリンを交互に見るれみりゃ。 急いで自分の分を食べ終える。 そして、その中に割り込もうとする。 「う~!」 しかし、既にプリンは無くなっていた。 れみりゃに限らず、お菓子はゆっくり達にとってご馳走のようだ。 「うーー」 「好き嫌いした方がわるいのよ。これからはきちんと食べなさい」 紅魔館ではお菓子しか出されなかったれみりゃは、アレは違う人の食事だと思っていたのだろう。 「うー!! いぎゃあ!!!!」 「そして、あそこは私の席よ。分かった?」 突き破らんばかりの蹴りを放ったアリスは、代わりの椅子を準備して自分も朝食を取った。 ―― 「おーいアリス、いるかぁ?」 「まっ魔理沙! いっ居るわよ」 朝食を終えて、人形達の修理でもしようかと思っていたアリスの家に、意外な来訪者がやってきた。 「まぁ、もう入ってるけどな。それにしても一日でここまで直すとはなぁ」 いつでもあんたを迎え入れるためよ、とは口が裂けても言えないアリス。 適当に相槌を打ってごまかした。 「あっ、魔理沙おねーさんだ」 「魔理沙おねーさん~いらっしゃい」 「ゆっくりしていってね」 「おお、元気だったか。あの嵐だったから心配したぜ。まぁアリスがいたんなら、大丈夫だろうけどな」 とたんにアリスの表情が曇る。 馴れ馴れしく魔理沙に話しかけるゆっくり達を見ているアリスの顔、それは先ほどと同じ感情だった。 「はは、そうだな。ところでアリス、これからちょっと出かけないか?」 「でっ、でかける! 何処へ?」 ひっそりとアリスに耳打ちする魔理沙。 当の本人は、昨日はきちんとお風呂に入ったか、寝癖はないか、そればかり考えていた。 「紅魔館さ、フランの奴がたまには運動したいって言うからな。お前もずっと図書館に篭ってただろ? 運動しないと体に毒だぜ」 「……ごめんなさい。今日はちょっと行けそうに無いわ。家に置いておいた人形の修理もあるから」 そうか、それじゃな、と言い残して出て行った声も、さよならと言った三匹の声も、既にアリスには届いていなかった。 また、他の人の所に行くのは別に良い、こうして誘ってくれたから。 でも、私より饅頭三匹を心配していたのが気に食わなかった。許せなかった。 「ねぇ、あなた達。私はこれから街に行ってくるから、魔理沙の所に遊びに行ってきたら?」 「まりさのところ?」 「いくいく!」 「そう、場所は分かる? えぇ、大丈夫。蓬莱に道案内を頼むわ」 「ホラーイ」 蓬莱人形に連れられて家を出る三匹、もう一匹はもたもたと何かをしているようだ。 「あなたは、何をしているの?」 「うー、がお~!がお~!」 どうやら、お気に入りのきぐるみを着て行きたいらしい。 「それなら、何日も着ていたから洗濯するわよ」 「うー! もうひとつだして! だして!」 代わりのきぐるみを出せと、駄々をこねるれみりゃ。 「これかしら?」 「う~♪はやくはやく」 良くやったと言わんばかりの顔をしているれみりゃの前で、きぐるみに朝のスープの残りをかける。 「う゛ー!」 ころころと表情が変わるれみりゃ、それを見て興奮するアリス。 「あらあら、これも洗濯しないとね。ダメじゃない、こぼさずに食べないと」 「う~! やってない! やってない!」 ブンブンと首を振って否定するれみりゃ。 「……その態度がムカツクのよね。いいわ、きぐるみを着せてあげる」 ちょっと待ってなさい、そう言いながら上着を脱がす。 ドロワーズ一枚になったゆっくりれみりゃを取り合えず庭に出しておく。 「そのこのきぐるみを乾かすまでちょっと待っててもらえるかしら」 「うん、いいよおねえさん。ゆっくりまってるよ!!!」 魔法を使えば直ぐ乾くが、あえて一時間ほど自然乾燥させてから魔法を使う。 傍から見ると何をしているのか分からないが、当の本人は酷く嬉しそうなので何か意味が有るのだろう。 「ほら、乾いたわよ。自分で着れるでしょ?」 「う~!きる~!」 ばしっとアリスの手から奪い取る、きぐるみが着れる事が嬉しいようで、ドロワーズの上から直接着ていることに気付いていない。 「がぁお~♪ た~べちゃ~うぞ♪」 「ゆっくりしてね!!!」 「おおこわいこわい」 「むきゅー」 三匹の元へ駆け寄っていくれみりゃ、これで全員準備はできたようだ。 「じゃぁ、きおつけていってらっしゃい」 「うん、ゆっくりしてくるよ!!!」 四匹を送り出したアリスも町へ向かった。 そこで、急遽製作した特製のゆっくり専用のセルフ販売ボックス設置する。 勿論、ゆっくり達の餌代対策であるが、思いのほか順調に事が運んでいる。 これは、なかなかいいビジネスかもしれない。 アリスはそう思っていた。 続き? このSSに感想を付ける